【研究】キャラクタのセリフから役割を推定する
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~雑談①「推し」~
(サムネに釣られて)このページを閲覧してくれたそこの君へ...
君の推しキャラクタは誰だい(´・∀・)?
...ツンデレが萌える??黒髪メガネしか勝たん??金髪ポニーテール??
ちなみに僕は
「主人公と張り合っていつもツンツンしてる,絶対に俺の方が強いんだからねっていう鬼強マインド持ってる風に見せてて実は内心めっちゃ焦りを感じてるライバルキャラクタ」
が最高に好きです.人間味があって.
(ドラゴンボールのベジータ,僕のヒーローアカデミアの爆豪勝己,シャーマンキングの道蓮,NARUTOのうちはサスケ,ブルーロックの馬狼照英みたいな人たちのこと)
なんか,コイツ(主人公)にだけは負けたくない!みたいな思いがセリフや行動に表れてて,しかもこういうライバルキャラって,主人公みたいに運命ご都合展開とか無いからめちゃくちゃ努力家やったり...が最高にかっこいいなと.行きつく先は手段を択ばずに闇堕ちして主人公の前に立ちふさがったり,いやいや言いながら主人公と共闘したりしたらもうたまらん...
好み紹介も程々にして...
研究紹介
この世に大量のコミックが存在する中,読者によってキャラクタ(推し)の好みは異なります.
(例えば,外見がめっちゃ好き!とか,性格がしゅき//とか生き様に惚れる!とかね)
そんな中,特定のキャラクタを探す場面(このキャラ何だっけ?,好きなキャラクタいるかな?,自分の知らない作品のキャラクタを探してコミックを読むきっかけにしよう!など用途は多岐にわたる)
において,従来の検索方法では,キャラクタの「名前」,「性格」,「外見」でしか探すことができません.
これらの検索クエリだけでは,多様な検索ニーズを持つユーザの満足する結果は得られず,自分好みのキャラクタに中々辿り着けないことがあります.
読者の好みはこの3要素に集約されるのか?いや,されない!!!(反語)
そこで注目したのが,物語の中でキャラクタが果たす役割である
「キャラクタロール」です.
(実現したい検索例:永遠の「ライバル」キャラクタ,「味方」→「敵」に寝返るキャラクタ)
キャラクタロールには,「主人公」,「師匠・先生」,「ライバル」,「ヒロイン」等複数存在します.
従来の検索方法に追加する形で,物語上の役割からキャラクタを検索できれば,今までより自分の好みにブッ刺さる”推し”を見つける手掛かりを増やせるのではないかと考えています.
キャラクタロールに基づく検索を行うためには,各キャラクタにキャラクタロールの情報を付与して,データベースを作成する必要があります.
キャラクタに関する要素を表現する方法として,ファンコミュニティ(Wikipedia,ピクシブ百科事典)などでは「茶髪・ツンデレ・メガネ」といったキャラクタの特徴を端的に表せる「タグ」が使われています.
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例:マイキー(佐野万次郎)であれば,「金髪,ヤンキー,総長,闇堕ち,ラスボス」が該当する
しかし,全てのキャラクタにタグが付与されているわけではありません.そのため,検索結果が有名キャラクタに偏りやすく,実は好みドンピシャのキャラクタがいても埋もれてしまいます.
さらに,物語内で明示的にキャラクタロールに関する情報は語られません.
キャラクタロールを理解するために,私たち読者はキャラクタの言動を踏まえた解釈を行っているため,タグ付けが遅れる原因になっています.
...だって作品内で「俺はお前の敵だー!!!!!,お前は俺を倒さないといけないんDA☆」みたいに喋ってきたら,作品の雰囲気台無しですから.
そこで着目したのが,キャラクタの「セリフ」です.セリフには発話者の感情や意図が込められています.
例えば,「まぁ俺に勝とうなんざ100年早いわ」というセリフには挑発,「今からお前に奥義を伝承する」というセリフには指導の意味が含まれています.
このことから,各キャラクタロールが話すセリフには一定の傾向がある(「敵」なら挑発や侮辱など攻撃的なセリフ,「師匠」なら導くようなセリフなど)のではないかと仮説を立てました.
例:いかにも「敵」キャラクタみたいなセリフ(挑発)
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各キャラクタロールに特有のセリフ傾向(使われる語彙に偏り)があるとすれば,これを手掛かりにキャラクタロールを推定できるのではないかと考えています.
この仮説のもと,アプローチ方法として,機械学習を用いてセリフとキャラクタロールの関係をモデル化し,推定モデルを作成しました.
作品内に存在するセリフから,キャラクタロールを推定できるようになれば,タグが付与されていないキャラクタにも,セリフからキャラクタロールのタグ付けができるようになります.
これにより,知名度に依存せず,データベースを作成できるようになることが期待できます.
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今回推定対象としたキャラクタロールは,物語を構成する最低要素である「師匠・先生」,「ライバル」,「敵」を対象に行いました.
結果としては7割以上の推定精度が得られ,キャラクタのセリフを用いることで,キャラクタロールを推定できる可能性が示唆されました.
今後も引き続きこの研究を進めて,キャラクタロールに基づく検索を目指していきます!
~雑談②「コミックを研究にすることってどうなん」~(本音)
コミックを扱う研究分野は,松下研究室ではコミック工学と呼んでいます.コミック研究の進め方としては,「こーいうニーズがあるからやります」っていうニーズよりも,「こーなったらもっといいよね」みたいな,理想論が結構大事になってくるかなと考えています.もちろんニーズは研究を進める上で大事にはなりますが,自分はどういう未来になってほしいのかっていう
「ぼくのかんがえたさいきょうの○○」
を考えていかないと,難しいのかなと実感しました.僕の場合であれば,「推しキャラを能動的に探せるようになって,好きなキャラクタきっかけでコミックを読むきっかけを生み出したい」ってところから始まっています.
~雑談③「コミック工学の特徴」~
コミック工学では,
何かしらのシステムを作ります!!!タイプ
仮説を立てて検証します!!!タイプ←僕はこっち
がいます.
自分のしたい研究内容によって,画像処理,自然言語処理,プログラミングなど色々な知見,技術を活用して進めていくので,ある程度やりたいようにできる自由さがあります.
テーマがコミックなので,ある程度親しみやすいテーマにはなってます.
コミックが好きな人は大歓迎
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詳しくはこちら
論文:
これ以外にも,
松下研究室のことが気になる人,本音が聞きたい人
コミック工学に興味があって知りたい人
僕と一緒に推し語りしてくれる人
お前の好みキモすぎやろって誹謗中傷してくれる人
オフィスアワー等話す機会あれば,自分の推しキャラとその理由を考えてきてね(⌒∇⌒)
何か質問等あれば以下のメールアドレスにご連絡ください
k146344@kansai-u.ac.jp
吉田真紘