【研究】理学療法初学者の情報収集力向上を目的とした患者情報アラート管理システムの開発
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研究紹介
「日本の総人口に対する高齢化率は一貫して増加しています📢」
厚生労働省が発表した人口構造の変化をみると,現在は1人の高齢を2.1人で支える社会構造になっていますが,2070年には1人の高齢者を1.3人で支える社会構造になることが想定されています.
さらに,,,
2070年には総人口が9,000万人を割り込み,高齢化率は39%の水準になると推計されています.
治療技術の進歩などにより,今後も平均寿命が伸びることが予想されている中で,高齢者が自立した生活を長く送るための健康寿命の延伸が重要な課題となっています.
以上のような背景から,高齢社会における高齢者の自立した生活の支援に向けて,運動機能の維持・改善のための物理的手段を用いた治療を行う,理学療法士の需要が高まっています.
理学療法士の人材を確保するため,1999年に養成施設カリキュラムが改訂され,規制緩和が施されました.
実際に,日本理学療法士協会が発表した養成校数の推移によると,1998年の養成校数は104校,入学定員数は3,520人であったのに対し,2023年の養成校数は275校,入学定員数は14,714人まで増加しており,ここ25年で養成校数は約2.6倍,入学定員数は約4.2倍となり,理学療法士の人材確保に向けた取り組みが進みました.
一方で,,,
人材確保数の増加は,臨床現場における理学療法士の若年化をもたらしました.
臨床経験年数の浅い若手理学療法士が増加していることから,近年では理学療法の質の低下が懸念されています.
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理学療法士が十分な臨床推論を行えていない要因は様々ですが,私はその中でも情報収集力の不足に着目しました.
臨床現場において,患者のアセスメント(具体的な問題点抽出やプログラム立案)は欠かせません.
しかし,従来の医療分野の教育現場と臨床現場の双方において,情報収集力が身に付きにくい環境にあります.
そのため,患者のアセスメントに必要な情報が充分に集められていない理学療法士が多く存在していることが現実です.
情報収集力の不足は,結果的に患者の症例報告に大きな悪影響をもたらしています.
医療分野の初学者教育に対するICT支援は数多く存在しますが,情報収集力を向上させる支援システムは存在しません.
そこで,,!
私は,「理学療法初学者の情報収集力を向上させるためのシステム開発」に取り組んでいます.
デバイスを用いたノートテイキング手法と指導者の役割を果たすICT支援を組み合わせたWebアプリケーションを開発し,理学療法初学者の情報収集力の向上に対する有効性を検証していきます👩⚕️
◎システム使用時の流れです
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◎本システムには,理学療法士の業務負担や業務時間を軽減させるための様々な工夫が盛り込まれています
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