9-nine- Ruler’s Crownは具体的に何がよろしくなかったのか
シンフォニックコンサート行ってプリモアート(6万円)買った原作ファンだからだいぶ思うところがあった。
大事なところだけネタバレされて原作も楽しめなくなる最悪の作品。
自分は毎週リアタイしてたけど、飽きたり見るに耐えなくてリタイアしたやつをそこそこ見た。
以下、問題点列挙。
1, 作画
言うまでもなく。1話2話同時放送でギリギリ耐えか?って思ってたけどそこから加速度的に怪しくなる作画。引きでは基本顔は描かれていないし、せっかくのつばす絵の美少女の顔面が崩壊している。演出も画面が4分割されたり逆さまになって走ったりキャラクターが分裂したり謎のビームが飛んだり、笑わせに来てるのかってくらいチープな描写が多い。せめてオーバーロードの描写くらい普通に原作通りにやれよ。なんでビームとギャグ漫画みたいな逆再生?
2, 音楽
原作のBGMは評判がいい上に最高の歌手が居るゲームなのに、なんでOPは変なビジュアル系に歌わせて米倉千尋歌唱はEDだけなんですか?過去にキャラソン出してるんだからヒロイン(声優)に歌唱させるのでもまだ良かったのに。OPの映像ではるいろまでの情報全部開示されてるのも本当に嫌。コワレオチタ-! ←壊れ落ちたのは原作ファンだよ。
BGMに関しては、告白シーンで流れたRealizeのピアノアレンジ(原作通り)と1話で無駄に消費されたmile likelihood以外原作のBGMが一切登場せず、お世辞にも良いとは言えない謎のテーマが作中ずっと流れるだけだった。サマポケとかぬきたしはそれが出来たのになんでそれすら出来ないのだろう。そこに予算かけるくらいなら作画とシナリオ構成に振れ。
3, 構成
翔くんの行動的にいきなりここいろ2周目スタート→都告白後に石化→オバロ→そらいろとはるいろ合体した枝に→希亜にイーリス撃破を躊躇わせてそのまま殺す→ゆきいろ枝に→希亜にメスの顔させてたのになぜか都と翔をくっつけて希亜に「お幸せにね」とか言わせる→最終決戦→新章→全ての枝でアーティファクトを回収した後無かったことにする枝を作る描写はないのにも関わらず、ここいろ1周目の枝でなぜか翔が「最後にお前の名前を教えてくれないか」とテレビに向かって謎の語りかけをして終了
・・・・・
なんだい?このクソは
1クールで原作エピソード全部やろうとするなよ。アニメは都ルートです!とか言ってたからアニオリかと思ったら新章までやって終わりなだけじゃん、しかも中途半端なところで。
最終決戦の眷属化自体は触れてれば同調できるのは納得してやるけど、だからといってアニメのやり方だと都以外のヒロインとの精神的結びつきが薄すぎて何も感動しない。その上、イーリスが与一を乗っ取った瞬間に「この瞬間を待っていた!」の名台詞を翔が希亜から奪って、オーバーロードの枝を繋ぐ演出も省かれて、ヒロイン集中砲火でイーリス死亡は出オチ感が強すぎてギャグアニメに成り下がってる。
大幅にシナリオを短縮してるくせに、ところどころ原作のセリフをそのまま使ってるせいで意味が通らなくなってるシーンが散見される。上記の相棒の名前発言もそうだし、希亜ルートでもないのに「あの子のアーティファクトだけは貰っていく」も意味がわからんし、ジ・オーダーフルアクティブシーンでの「ハッピーエンドに繋いでみせる」や新章シーンでの「幸せにしてみせる」はここいろOP映像の "この世界はキミを「」した物語だった" の前提がないと意味が通ってないでしょう。
原作の希亜がジ・オーダーでイーリスを討つ際にソフィーティアを巻き込むことに気が付いて、躊躇ったけど「全てのイーリスを討つのよ!」からのパニッシュメントで撃破の描写がないから、ソフィーティアが希亜に許されて「もう暫く生き恥を晒すことになりそうね」のセリフも意味がわからないことになってるんですが...。
というか、アニメにするにあたって、オリジナル展開を用意せずにオーバーロードをそのまま持ってきてるのが一番ヤバい。原作だとノベルゲームの選択肢を選ぶというメタ構造があっての、9人目のアーティファクトユーザーなのに、謎ビーム出して勝手にタイムリープさせてる人間の正体がテレビの前のあなたですよん←これほんまに何?
あくまで一人の人間であるはずのナインくんの設定とテレビっていう媒体の相性が致命的に悪いのに、その設定はそのまま使おうと思う神経がわからない。
あとなんで全てのアーティファクトを使いこなせる翔の才能的な何かがオーバードライブって話だったのに、全部のアーティファクトを別の枝から持ってきて使用できる能力がオーバードライブにすり替わってるんですか?
ゆきいろルートで希亜にもメスの顔させてんのに、そのままなぜか都とくっつけて希亜をヒロインレースから退場させたのもかなり罪深い。せめて別の枝にしろよ…。尺の都合でルート自体が省かれた天と合わせてアニメ2大被害者。嘘、一番の被害者は原作ファン。
9-nine-という作品は、各ルートでヒロインとくっついた上での翔の心理描写と、選択肢を選ぶ行為の理由付けと、9人目のアーティファクトユーザーっていうタイトル回収と、フローチャート画面の新しい使い方ありきでのノベルゲームという媒体を上手く活かした総合体験なのに、全てを損なったアニメが出来上がってしまった。
アニメ勢楽しめなかっただろうな、補足説明がないと意味不明すぎて。
ちなみに原作勢も楽しめませんでしたよ、クオリティが低すぎて。