中華モニターとその周辺 -Economy dis Plays-
タイトルは乙りろパロ。
中華SSD代理店の闇 -中華ブランド一覧表- と同じようにモニターのパネル供給元やブランド関係について分かる範囲で裏付けが取れたものだけまとめる。
太字になってないやつは多分選ぶ価値すらない
BOE
世界一位の液晶パネルメーカー
色んなメーカーに供給してる。
調べた限りたぶん自社ブランドはない。
CSOT = TCL
CSOTは世界二位の液晶パネルメーカー
CSOT側がTCLグループの子会社で、日本国内だと自社製造のパネルを使ったモニターをTCL名義で出しておりAmazonでもよく見かける。
こっちでは認知度も低いが本国じゃ相当有名なテレビやらパソコンやらスマホやら家電やら作ってるメーカーらしい。
HKC = KOORUI
HKCは世界三位の液晶パネルメーカー
KOORUIはその自社ブランド。読みはクールイらしい (日本公式Twitterより)
あの自作PCの電源ユニットを作ってるHKCと同じ、びっくり。
三位と銘打ってあるが名実ともに1,2位を占めるBOE/CSOTとは少し開きがある。
INNOCN = TITAN ARMY = INNOBLID
Shenzhen Century Joint Innovation Technology Co., Ltd. 深圳世紀聯創科技有限公司
最近よく聞くモニターメーカー、PRTimesによると読み方はイノセンらしい。
モニターのOEM/ODMを請け負ってて、自社ブランドとしてAmazonとかにも展開している。
HP・Acer・XiaomiとかのOEMもやってる。
IODATAのOEMもやってたっぽい
蝉族で言うところのBIWIN枠 けっこう高級路線
KTC = FPDVision
Shenzhen KTC Technology 深圳康冠科技
最近よく聞くモニターメーカー2
結構歴史が古い上にOEM/ODM主体でやってて自社ブランドKTCを最近日本にも展開し始めた。
NEC Samsung ViewsonicとかのOEMもやってたらしい
AOC(Agon) = TPV = Philips(EVNIA) = Great Wall = envision
AOCは台湾本社のゲーミングモニターメーカー、Philipsは有名な欧州の医療機器や家電のブランド、ならここがイコールで繋がるのはおかしいのでは?
驚くなかれ、PhilipsはHDTV部門をTPV Technologyの子会社、TP Vision (TPはTPV Philipsの意) に株式を完全譲渡してるんですね。
TPV Technologyは "Top Victory Electronics" 名義でAOCの工場として台湾に設立されたというお題目はあれど、香港に本社があって深圳証券取引所に上場、最大株主は中国国有企業の中国電子信息産業集団(CEC)と、どう見ても典型的な中華企業の様相を呈している。
TPVの公式サイトには自社が抱えるブランドとして堂々とAOC、Philipsが明記してある。
https://gyazo.com/c439566ebc6d7170e366de0fcf174671
そもそも名目上はAOCの工場部門としてTPVがあるはずなのに、TPVの傘下にAOCが収まっている上、AOC自体の設立経緯もイリノイ→台湾と色々と怪しいところがある。
当然、この記事は中華モニターを推奨する性質の記事なので、中華資本だから悪いというわけではないが、AnkerやJMicron、Lexarなどと同じく、中華資本なのに出自を偽装してるのがどうなのと感じるからこういう書き方をしているだけ。
なんならAOCはesportsの大会に協賛してモニターを提供している以上、恐らくそこまで品質の悪いものではないでしょう。
AOCやPhilipsのモニターの実態が何かを正しく理解した上でコスパや保証や見た目で選ぶのは全然悪いことではないと思う。
メーカーじゃなくてレビューやパネル製造元をベースにモニターを選んだほうが良いことの証左。
FeuVision
モニターの品質自体はマジで知らんけど、親会社は結構でかい。
あのHIKVISIONに次いで監視カメラ世界シェア第二位のDahua Technology 浙江大華技術の傘下企業。
中華モニターやSSDは、他業種で結構なシェアを握ってる企業が生き残りをかけて別業界に進出みたいなパターンがわりかし多い。
ソース
Dahua Technology, a world leading video-centric smart IoT solution and service provider, and its subsidiary FeuVision Technology jointly showcased a variety of its latest audiovisual technologies, cutting-edge products and comprehensive solutions.
Minifire
Amazonで見かける、あんまり評判は良くない
Express LUCKとかいう中国のマイナーテレビメーカーのゲーミングモニターブランド
---企業主体の壁----
Z-edge
Shenzhen Paragon Technology Co., Ltd. 柏腾科技股份有限公司
Aston
謎
おまけコーナー (台湾/韓国やその他予備知識)
AOpen = Acer
あのAcerの子会社、故に台湾ブランド。
AOPEN名義
AUO = BenQ(MOBIUZ)
AU Optronics
BenQは元々Acerの子会社だったが、2001年に独立、2006年にAcerはBenQの保有株式を売却、現在は資本関係なし。
スマホとかPCが好きだとAcerのほうが馴染みがあるだろうけど、ゲーミングデバイスやモニター分野だとBenQの方が現在は知名度と実績があるように思われる、特にゲーミングモニターでは競技シーンでの使用を含め確固たる地位を築いている。
AUOはBenQ子会社で、台湾でInnolux(鴻海子会社)に次いで第二位のシェアを占める液晶パネルメーカー。
BenQブランドのモニターは概ねAUOパネルを使ってると思われる。
Pixio = PNS
経緯が複雑なので分割して表記する。
Hamee側
Hamee株式会社はiPhoneケースのiFaceをとか出してる東証上場の日本企業。
Hamee Global Inc.は2020年に韓国法人であるHamee Korea Co.,Ltd.から改称。Hameeの100%子会社。
Pixio側
PNS Holdings Inc (韓国) とPixio USAは元々グループ企業であり、PNSはモバイル周辺機器ブランド "Patchworks" をHamee.G.I.に譲渡。 尚、グループの親会社はPNSである。
この時点でPixioブランドは Pixio Japan大本営発表 と異なり、アメリカ企業ではなく、韓国企業である。
Pixio USAとHameeが代理店契約。
つまるところ、Pixioは韓国メーカーPNSのブランドであり、Patchworksの事業をHameeに譲渡し、最早PNSの業務にはPixioしか残っていない上で、Pixioの日本展開においてもPatchworksとの縁でHameeと代理店契約を結んだものと思われる。
他の無名だか有名だか微妙にわからんブランド達と違ってVtuber(笑)とコラボしたりとやけにPRが積極的なのはちゃんと日本法人がバックにいるから。
#比那名居