不条理
不条理という言葉のあてはまるのは、世界が理性では割り切れず、しかも人間の奥底には明晰を求める死物狂いの願望が激しく鳴りひびいていて、この両者がともに相対峙したままである状態についてなのだ。
1. 人間には生来理性というシステムが内蔵されている
2. 人間は理性によって世界が明晰に理解できるものであってほしいという欲望を持っている 単なる状況の理解や、物事が「予測通り」にであってほしい欲望など
「意味がある/ない」も人間理性的な考え方(何らかの論理による価値判断)であり、世界の側には意味など存在しない
3. しかし理性は万能ではなく、往々にして世界では「辻褄、理屈が合わない」事態が生じる
素朴には「物事が自分の想定通りに全く進まない」という実践の問題
極端なところでは人生は無意味なのに何故か私は存在し、生きているという疑問
「意味がない人生なら死ぬべき、は成り立たない」という話がシーシュポスの神話でなされている
4. この人間の理性と不合理な世界が衝突している状態を不条理と呼ぶ