計測
計測の原理
計測は、理工学のあらゆる分野で不可欠である。
本講義では、特に機械工学において必要となる計測の基礎知識
および実際の応用例を講義する。
具体的には、各種計測の方法と原理、信号処理、計測値の処理等、
計測を工学研究や、機械の制御、性能評価、モニタリング等に
応用するための知識を講義する。
1.計測の概要
機械の計測、測定方式の分類、計測系、計測器の静特性、誤差と不確かさ、
誤差の伝搬、外乱、計測系のモデル化、計測器の動特性
2.アナログ回路
オペアンプ、オペアンプ回路、インピーダンス整合、フィルタ回路
3.アナログ信号
信号とスペクトル、SNR、フィルタリング、ヘテロダイン、ロックインアンプ
4.信号のデジタル化
離散化、量子化と標本化、エイリアシング、ADC、DAC
5.計測値の処理
ノイズ、ノイズの低減、測定の誤差、誤差の見方
6.センサ
計測の空間写像、センサの変換原理
7.力の計測
ひずみゲージ、力の検出構造、多軸力の計測、変換行列、フェイルセーフ
8.光学計測
光のモデル、発光、レーザ、光学系、干渉計、レーザ計測、ホログラフィ
9.力学量の計測
変位の計測、速度の計測、加速度の計測、振動の計測
10.温度、磁気の計測
熱電対、電気抵抗温度計、放射温度計
11.計測の応用
形状計測、SPM
離散フーリエ変換
走査プロープ顕微鏡
熱、真空、磁束の計測、MEMS/NEMSセンサ
光学計測、力学梁の計測
電子顕微鏡技術・イオン顕微鏡技術
センサデバイス、先端センサ技術
センサ・力の測定
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「センサの種類と用途」
光電センサ
可視光線を発射し、反射光や遮光されて変化した光量を検出して出力信号
ほとんどの物体が検出可能
ファイバセンサ
光電センサの光源に光ファイバを連結して狭い場所などに自由に設置可能へ
レーザセンサ
センサの中でも最も幅広く使用でき、多くの種類がある
投光素子として直進性のあるレーザを採用したセンサ
カラーセンサ
光を発射し、検出物体によって反射する光を受光部で検出する
色が判別可能
近接センサ
非接触で検出物体が近づいたことを検出
渦電流式変位センサ
電磁誘導作用によって発生する磁界を利用して距離を測定
接触式変位センサ
直接触れることで位置を測定
超音波センサ
超音波を使用して距離を測定する
画像判別センサ
カメラ、照明、コントローラが一体
情報計測
科学技術振興機構のCREST・さきがけの研究領域“情報計測 計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用”では、横断的に計測を捉える数理・情報科学と個々の計測科学との融合によって、ハードウエア中心の計測技術開発のみでは到底成しえない新しい計測を実現するブレークスルーが生まれ始めています。 計測科学と数理・情報科学が高度に融合することにより、どのような学問の進展があり得るかを多くの方々とともに考え、興味を深めてもらうことを目的に、本セミナーシリーズを企画しました。本セミナーシリーズは、計測技術や数理・情報科学が必ずしも専門ではない研究者や技術者の方々、そしてこれから計測科学や情報科学を志そうする学生の方も対象としています。皆様のご聴講をお待ちしております。