1970/02/18[有志ビラ]女性解放準備会
70年2月18日(水)/女性解放準備会
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女性の解放
女性は強い、女性上位時代だと近年マスコミが大きく騒ぎ立てている中で、あなたはどう感じているだろうか。女が強くなるのも困りもの、日本女性らしく、慎しく控えていて欲しいと考えている人も多いだろう。「あなた好みの女性像」とでも言おうか。
しかし、あなたは知らないかもしれないが女性の差別は多くの方面に表われている。
一例を挙げれば、女性労働者の低賃金制、若年定年制等々。
ところで技術がその能力に適合していた太古時代には権威を有したが、能力の使用が不可能になると共に権威を失った女性は、近代社会の中に男性との平等性を再発見するのである。が大多数の国家では、この平等が具体的に実現されるのをさまたげている。そしてそれこそ資本主義国家の古い父長主義の抵抗にほかならない。
男性の中には、女を競争者として恐れる者もある。ある人はこう言明する。則ち「医者や弁護士の職につこうとする全ての女子学生は、われわれから職をうばうものだ」と。今日、民主主義思想の影響で全ての人間を平等として認めようとするが、それでもなお男性は自分の社会で持っている男性であるが故の特権をなんら疑おうとはしない。そしてやはり女性に若干の劣ったところがあると指適(ママ)するのである。
劣ったところ、その最も重要なものは職業的な無能力にあると言う。
「女は何だ勘(ママ)だと言ってもやっているのをみろ。賃金が安いといったってするのはお茶くみみたいなものじゃないか。男はその点……」
しかし、私達は思うのだ。バーナード・ショーの言った事を!!
『アメリカの白人はもともと自分が黒人を靴みがきに追いこんでおきながら、黒人は靴みがきしかできないと結論する。』
そして、又、
『圧迫によって圧迫者に保証される利益の1つは彼等の中のもっとも卑しいものですら優越感をもつということを。』
私達はその例をたやすく男性の中にみることができる。それは我豊高においても同様である。
さて、あなたはどうか!!
以前、あなたは次のようなことがなかっただろうか!
「女だもの」「女だから」「女なんかじゃ」etc. 女性であることによって生きる力をsave したり、逃げたり、蔑視したことはなかっただろうか!!
私たちは告発する!!
「女なれど人にあらず」の社会を!! 学園を!!
女は女である前に人の子として世に生まれたのであると!!
以上(抽象的な所が多かったかもしれないが)読んであなたはどう思われただろうか。私達は以後、社会的女性解放の立場で、その一端として豊高においても運動を展開するつもりである。
今後、その運動の一環として、ゼミナール及び研究会等も開く予定である。
豊高の全女性に対し連帯を求めかつ男性諸氏に対しても協力を要望するしだいである。
1970,S45・2・18 女性解放準備会
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