1969/07/18 [有志ビラ]全学闘争委員会・投書
#有志ビラ
7月18日(金)/豊中高校全学闘争委員会書記局
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差別者の位置から自己を解放し [以下表題欠]
No.1/1969.7.18
豊中高校全学闘争委員会書記局
全闘委結成宣言
14日に540名の期末テストボイコットを勝ち取ったにもかかわらず、日に日に人数が減ってゆき、今だに何らの方向性が打ち出されていないのは何故だろうか。マイクを握れば「話し合いを」と訴える他為すすべを知らぬ一部、無方向的・無自覚的学友の煽動が全豊高の闘争を、より現象面的な・枝葉末節的な闘争として導いているのではあるまいか。「テストを受けてる人も一緒に」とか「明日は何をしようか」いうような表面的な事象の討論に多大のエネルギーを費し、より本質的な問題を見失っては、テストボイコットの意味は皆無である。
今はっきりと確認すべきことは、部落差別事件が告発した日常性=差別体制なるものを、我々自身の手で分析し、これを基盤として現状の矛盾点を把握し、その上に立って、今後の改革の方向性を明らかにしてゆき、それを半永久的に実践せねばならないということである。これが、差別体制に順応してきた差別者、即ち我々に課せられた義務であり、我々の身を呈しての自己批判となるのである。
今回の差別事件が提起した諸々の問題即ち、生徒心得、自治会顧問制、生活指導部、新聞の検閲制等を、個別的なものとしてではなく、あくまでも、現教育体系に、ひいては現体制に収束する問題として把握せねば、本質的な改革は為されず、表面的な、一時的な改良のみに終ってしまう。本質を把握せず、現象面のみ追い続ける闘争は、闘争としての意味を持たず、学校当局の強圧的な事態収拾策動の前に、全く無力であるということも、又、確認すべきである。
一連の体制矛盾を前にして、まず我々が克服せねばならないのは、他でもない自分自身である。ともすると受験体制に埋没してしまいそうになる自己を、そして今まで埋没してきた自己を否定することから始めなければならない。その後において、我々は、学校側現体制が半強制的に押しつけてきたところの、幾多の矛盾を含んだ既存の教育に対する、より総合的な、根源的な、アンチテーゼとしての闘争を綴り広げてゆかねばならない。
即ち、生徒心得や自治会顧問制、生活指導、新聞・放送の検閲等、又差別教育、受験教育、同和教育等について、明確な今後のビジョンを持つ必要がある。
我々は訴える。差別者の位置から自己を解放する為に、人間としての教育を勝ち取る為に、矛盾を否定し明日を創造する為に闘う全ての学友は、全闘委に結集しよう。
要求項目(方針)
1.差別教育粉砕(全学の教師は自己批判せよ)
2.期末テスト中止貫徹
3.生徒心得22項撤廃
4.新聞、放送施設の自主管理
投 書   3年I組 S君
“主体性の貧困”
今、私たちが真に問われているものは何か。それは私達自らの主体制(ママ)である。私達は今、謙虚な気持ちになって、自分のとってきた、これまでの行動を反省してみる必要がある。無関心であった人も、傍観者であった人も、また活発に運動してきた人も。
そして広い視野と認識とを持って、今までの闘争を整理し総括することが、この主体性の貧困を改服(ママ)できる唯一無二の方法である。そうしてはじめて自己の方向性というものがより明確になるのではないか。 7月14日に540名もボイコットしたにもかかわらず、翌日から半分以下に激減したことは、自らの主体性と方向性の貧困を暴露したことを意味している。 私達はこのような曖昧な態度であってはならない。不正なもの、ギマン的なものに対しては、断固たる徹底的追求(ママ)態度であるべきだ。そのようなものに対して、妥協的、迎好(ママ)的態度でいることは、絶対に許されないのだ。それ故に真の意味の主体性とは何か、すなわち自らの[…印字欠…]追求(ママ)態度である。私達は[…以下、印字欠…]
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7月19日(土)?/豊中高校全学闘争委員会
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終業式をボイコットしよう
我々は差別の日常性を否定するという意味のもとに、期末テストをボイコットし、そして今、同様に差別教育のしめくくりであるところの終業式を実存的に否定することにより、差別者としての自己を告発しなければならないと考える。全ての闘う学友は、全闘委に結集し終業式をボイコットしよう。
豊中高校全学闘争委員会
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1969/07/18 [有志ビラ]全学闘争委員会・投書