1969/07/12 -B 縦割り討論・クラス討論・全校投票
#168
7月12日(土)
八時半から十一時半まで縦割り討論。十二時から最終的なクラス討議。二時から全校投票。
学校の十四日試験断行の態度は変らず、教師は討論に於て同じ事をくり返した。一方生徒内部では試験中止、断行との意見に分かれたが主として討論では中止派が断行組を説得するような形であった。又生徒間の断絶も夥しく、一年生などは活発に動く三年有志に一種の恐怖感さえ持っているようだった。これはこの日が設けられた理由でもあるが、短時間の討論での相互理解には余り期待できない。
ここで全体的なテスト中止理由を列挙すると、◎学校側は民主教育を言明したにもかかわらず、従来の差別教育の延長であるテストを強行しようとする。◎学校は“混乱収拾”という以外、試験断行の教育的意味を明確にせず、それは単なる収拾策動としか思えない。◎生徒各々が分裂し、討論が不足している現在、当初問われた問題は何ら解決されておらず、このまま夏休みに入ると“考える”姿勢がくずれたまま終る。等々…である。
一方十一時ごろから講堂ではPTA一年の学年会が開かれていたが、学校からの伝達内容を知りたいとして三年有志が教師の許可を得て入室した。しかしまもなく父兄の賛成多数の「民主的な方法」(PTA会長)によって、有志は退室させられた。学年会には後にも三年有志が傍聴を要請したが再三、拒否された。
さて十二時からのクラス討論を経て、二時に全校投票が行なわれ、ただちに集計がなされた。
一年 二年 三年 計
中止 182 215 278 674
断行 192 167 105 464
棄権 31 35 43 109
(投票 1247)
この全校投票の結果が発表される前に臨時議会が召集され、次の事項が確認された。
「今日の決定に関しては、自治会員は(役員会の指示に従って)統一行動を取る」
また同じ時に行なわれていたPTA学年会に対して議員団を組織し、生徒側からの説明を行う、との動議が提出されたが、支持が過半数に満たずに否決された。
全校投票を集計後、その結果をもとに役員会は学校側と最終的な折衝を続けたが、結局もの分れに終り、五時五〇分の正式発表に及んだ。
自治会発表─全校投票で試験中止を決定した限り全自治会員はこれに従い、十四日からは同和問題について主体的に考えて行こう。
次いで学校側が職員会議の決定に基づく見解を発表した。その主旨は、一、今迄の教育に欠点はあったが全面的に否定はしない。正しい面を評価するためにも試験を実施する。二、試験の内容、形式は従来とは変わったものになる。三、残された問題は試験終了後、教師と生徒とで協議する。だから試験を豊高の新しい第一歩とする、というものである。この学校見解によって意見を異にした者も多かったがなおテスト中止の声は強く、全校投票を無視した形の学校、教師に対して不信の声も大きかった。
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1969/07/12 -B
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