1969/06/12 -A 謝罪措置決定
六月十二日
この日の豊陵新聞局内会議において、はじめてこの問題について局員に説明される。局員はS君が何の意識もなく差別用語を使用していたこと、局員が新聞発行までの段階で未然にチェックできなかったこと[は]、局員が同和問題への認識を欠いていたことを物語るものであり、潜在的な差別・偏見が内在していたということであるのを確認して反省した。そして早急な具体的措置を局内で討議し、また顧問の先生からの意見もあり結局、①こうした誤りを新聞という公器に掲載したことを謝罪し②今後の新聞部の同和教育への取り組みを謝罪文として全校に配布する。ということを決定、謝罪文の草案はS君が書いてくることになった。
又、この日の放課後、職員会議が開かれ、例の語句については、一部の教員から指摘があったにもかかわらず、議題にはならなかったもようである。
一方帰宅したS君は彼の父の友人である「同和教育にたずさわっている人」と討議し、①新聞局として報道責任をとるのなら、徹底的にやるべきであり②不徹底から起こりうる「差別の再生産」を防止する必要がある。との判断からはじめて、「新聞回収」という考えにいたり、謝罪文の草案も「新聞回収」を前面に出して執筆された。