心理学の種類
心理学は、大きく分けて基礎心理学と応用心理学の2つ
基礎心理学
基礎心理学とは、人間が持っている心のメカニズムを一般法則として理論的に解明する心理学です。後で紹介する応用心理学の基礎となるため、心理学を学ぶ際は、基礎心理学から取り組むのもおすすめです。代表的な基礎心理学を次に5つ挙げます。
生理心理学
発達心理学
学習心理学
人格心理学
社会心理学
生理心理学
生物心理学とも呼ばれ、心理状態と体の反応についての関係性を研究する分野です。脳波や心電図などから、行動の心理的機能と生理的機能の関係を科学的に分析します。心の動きに合わせて、脳のどの部分が動き、体がどう反応するか、といった研究をします。
発達心理学
人の一生における発達過程の中で、年齢を重ねるごとに心に起きる変化について研究する分野です。加齢に伴う人の発達段階を研究しており、乳幼児心理学や児童心理学、青年心理学、老年心理学などに分けられています。
学習心理学
学習とは勉強することではなく、人が生きていくうえで経験する全てを学習として捉えます。学習心理学は、その経験が人の行動や心にどのような影響を及ぼすのか、その関係などを研究する分野です。
人格心理学
人格とは、人を特徴づける一貫した持続的行動パターンのことであり、パーソナリティともいわれています。人が行動するときに、どのような思考や感情を持っているのか、「その人らしさとは何か?」を理解するために研究する分野です。
社会心理学
社会的な要素が人に与える影響やグループ内での人間関係などを研究する分野です。家族や友人、恋人といった小さい集団だけでなく、会社や学校などの大きい集団も研究の対象となります。
応用心理学
基礎心理学をもとに、教育や医療、スポーツなどの分野で活用するための具体的な研究をする心理学の分野です。応用心理学は幅広い分野で活用されていて、政治や経済、産業、福祉、犯罪から捜査の他、身近な生活、恋愛などの分野でも活用されています。代表的な応用心理学を次に5つ挙げます。
教育心理学
臨床心理学
災害心理学
スポーツ心理学
犯罪心理学
教育心理学
教育の現場で起こる問題を心理学の面から検討し、主に子供のよりよい成長や人格形成を援助する分野です。生徒のやる気や能力の伸ばし方、教師と生徒のコミュニケーションなど教育の場で幅広く活用されています。
臨床心理学
心理学を用いて、精神疾患や不適応行動などに対する援助や予防を行う実践的な分野です。精神疾患で苦しむ人に心理的援助を行う研究分野であるため、ストレス社会の中で、大切な役割を果たしています。
災害心理学
災害が発生したときの人の心理状況や行動を研究する分野です。災害対策に応用するための研究であり、人的な要因による二次災害の防止も目的の一つとなっています。自然災害以外にも労働災害や交通災害なども研究の対象です。
スポーツ心理学
スポーツにおける心理的な課題を、基礎心理学を応用し、明らかにしていく研究分野です。心理学の科学的な知識を活かし、スポーツの実践や指導に取り組むことで、高いパフォーマンスを発揮できるようになります。スポーツ選手のメンタル指導などにも役立ちます。
犯罪心理学
犯罪者の心理や犯罪行為を、基礎心理学を応用して研究する分野です。犯罪が起きる状況や犯行の動機なども研究の対象となります。犯罪捜査や法廷での尋問などに活かされていて、罪を犯した人の更生にも役立っています。