ようこそ
いきものには必ず寿命があります。地球上に生命が誕生して以来37億年もの間、この生と死のサイクルは繰り返されてきました。ハードウエアとしての生物にはこのように寿命がありますが、生命のソフトウェアである遺伝情報は親から子、子から孫へと途切れることなく連綿と受け継がれてきました。このことは私達を含めた全ての生物が共通の遺伝原理に基づいて「命」を紡いでいることを表しています。この膨大な遺伝情報はDNAの暗号として染色体に刻まれているのですが、進化の過程でこの情報にわずかな変異が起こります。このため我々を含めて生物はそれぞれに多様なのです。 植物遺伝学分野は、そんな遺伝原理の普遍性と生物の多様性を、植物を材料に科学する学問分野です。コムギの栽培種や近縁野生種を材料として遺伝学的研究を展開し、農学・生命科学の発展に寄与することを目指しています。 植物遺伝学分野では、成果が作物の品種改良に役立てられることを念頭に置きつつ、農業上重要な形質や環境適応に関わる遺伝子群やゲノムのダイナミクス、さらに種内の分化や新たな種の形成、異質倍数体の進化機構について遺伝学の立場から研究を行っています。(宅見薫雄)
植物遺伝学研究室は、約70年の歴史を持っています。初代教授は望月明先生で、次いで小野一先生、金田忠吉先生、中村千春先生、宅見薫雄先生と5名の先生方が教授をつとめてこられました。
1954年 遺伝学研究室として設置(兵庫農科大学)
1966年 神戸大学へ兵庫農科大学から国立移管
1968年 防疫遺伝学研究室として植物防疫学科へ
1993年 農学部改組に伴い植物遺伝学研究室に(生物環境制御学科)
2007年 農学研究科への大学院重点化(生命機能科学専攻に所属)
2022-05-19
2024-12-24