2つの方向性
こうして教室内での自由度をあげて行くと、2つのベクトルの努力が必要になる。
一つは集団づくりに関すること。
チャレンジは安心できる環境にいてこそ発生する。
みんなで考える
こういった実践例はたくさんある。本書では他の本では余り振れられないベクトルに目線を向ける。
それが「集団で学ぶことによって、個人がより深く自分の中に潜っていく」という方向である。
自分だけの努力よりも、他者と関わり合いながら努力をするほうが、新たな着眼点や認識のギャップが生まれやすく、それらは個人の内的思考を活性化させるために非常に役に立つ。
さらに、個々人が自分について、集団について思考を深めていれば、集団づくりのもっとも基礎的な地盤が完成する。初めから集団づくりを目指すと、集団ありきの個人となってしまい、結局その集団が解散した時点で、その集団で現れていたここの良さが消失してしまう。
僕の教育デザインは徹底的に「個の学び」に還していくデザインである。
2章でのアプローチも結局は「個人の取れる選択肢の幅を広くすること」で結果として、対話的な学びをうもうとしている。初めから対話を狙わない。
こういうアプローチが不要だと言っているわけではない。このアプローチだけでは足りない、と言っているのである
そしてその足りない部分にけテぶれ実践は深く答えられる。もちろん。プロジェクトアドベンチャーやクラス会議、その他諸々の集団づくりに関する実践はやっている。これらは”前提”でもある。
基本的に安心安全なクラスづくりをしないと、チャレンジは生めない。
そういう努力の上にもしくは両輪として、これから述べる内容を位置づけていってほしい。