練習の方法を広げたり深めたりする
ボトムアップ的にアイディアを紹介する
絵を書いたり、語呂合わせをしたり・・・学ぶことの楽しみを見出していく。
教師はそのように学びの海を自由に泳ぐ子どもたちの姿から、価値を切り出し、クラスに紹介していく。
同じ情報でも本に載っている方法として紹介するよりも、友達がやっている方法として紹介したほうが、ワクワクする。そのワクワクとは、「真似してやってみたい!」「学校の勉強ででそんな事やっていいんだ!」「自分もなにかオリジナルの方法を考えたい!」といったもの。
また紹介するときには、できるだけ科学的なエビデンスと紐付けて説明してあげると、紹介される側もテンションが上がる。世界の偉い学者さんが研究して見つけた「有効な学習法」をいま、自分の力で見つけちゃってるんだよ!と。
こういう事ができるように、教師は「学び方」についての知識を沢山持っている方が良い。
ボトムアップ的な情報紹介の価値はこういう気持ちを生み出しやすい。
トップダウン的にアイディアを紹介する
上で述べたようなボトムアップ的なアプローチとともに、トップダウン的なアプローチも合わせていくと、より効果が上がることがあります。トップダウン的なアプローチはあくまでも「紹介」というニュアンスを消さないことを心がけるのが大切だと思っています。絶対にこれを使いなさいではなく、こういう方法もあるよ、という感じですね。
ですが、軽く言葉で紹介するだけでは、その方法の価値を理解できずに流してしまう場合もあります。僕が子どもたちに何か有効な方法を紹介するときは、一度みんなで体験してみる、という方法を取ることがあります。これも一種のけテぶれ思考ですね。全体像が何となくわかったら(計画)、まず自分で試してみる(テスト)。そしてその感覚を振り返り(分析)、使い続けるのか、使わないでおくのかを決める(練習)といった感じです。
ある方法を紹介したら、一度みんなで使ってみて、軽く使用感を共有する。このやり取りは結構大切だと思っています。先生が紹介した方法を試してみて、その価値を自分で判断し、受け取るか受け取らないかを自分で決める。こういうところから、人に言われたことをうのみにするのではなく、自分の中で吟味しながら取捨選択をする、というマインドセットを育てていきたいと思っているからです。これは自立した学習者になるためにとても大切なマインドセットだと思っています。
「勉強法」についての本を教室においておく
「唯一絶対に正しい勉強方法」が未だに定義されていないのは “領域特化”だけでは絶対解が定義できないからだ。そこには確実に「個人差」という変数が影響する。そしてその変数が大きいからこそ「唯一絶対に正しい勉強法」が確立されていない。
世の中には勉強法についての本がたくさん出ている。「基本的な勉強法」であるけテぶれがあれば、多種多様な勉強法についての本の中から自分の気に入った情報だけを抜き出し、自分のけテぶれに取り入れていくという事ができるようになる。
逆に #けテぶれ のような"ベースとなる知識"がなければ、世の中に在る勉強法についてのアイディアにおぼれてしまい、結局どれをと入れてよいのかもわからずに、どの情報も受け取ることができなくなってしまう。 けテぶれがあればそれらの情報を解釈できるだけでなく、日々回転する自分のけテぶれサイクルに即座に取り入れて、感覚を試し、取り入れるかどうかを判断することができる。学習方法を「試着」することができるのだ。
だから、けテぶれに取り組む教室では、勉強法の本をおいておくことをおすすめする。