確実な学習の蓄積を生む「キーカード」
キーカード=暗記カード
右列の探究的な活動の説明に移る前に左端に書かれた「キーカード」の説明をして置かなければなりません。キーカードとは一般的に言う「暗記カード」です。
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よく英単語などを覚えるとき、小さなカードをリングでまとめてペラペラめくりながら覚えますよね。それと全く同じものです。これを1人1つ、もたせます。もたせ方は単純に「文房具屋さんで使いやすそうなものを一つ買っておいで」というだけでもいいですし、子どもたちにはリングだけを渡しておいて、教室に画用紙を丁度いいサイズに切って、穴を開けて、大量においておき、必要に応じて子どもたちがとっていく仕組みにする、というやり方もあります。
キーカードの用法と効能
活用方法も単純で、「ひらめいたこと、覚えておきたいこと、大切だと思ったことなど、“これは捕まえておきたい!”という情報に出会ったら、すぐにキーカードに書き留めておきなさい」というだけです。そして、スキマ時間があればキーカードをみる、という習慣をつけていきます。これが強力な効果を発揮するのです。
記憶とはその情報にアクセスした回数に比例して強くなる、というとても単純な法則があります。キーカードはそれを実現する仕組みを作ることができます。どうしても覚えられない漢字や、算数の公式、歴史の人物名など、なんでも書き留めておき、スキマ時間にみるだけです。これだけで記憶の定着率は飛躍的に高まります。
この仕組が「けテぶれ✕授業」の教室にあれば、「友達がわかりやすいようにキーカードを書いてあげる」という活動も発生します。困っている子が最低限覚えるべき知識をキーカードにまとめてあげる、という関わり方です。友達が作ってくれたカードは、自分で作るよりもより一層情報価値が高まり、覚えやすくなります。反対にノートよりも遥かに小さいカードに大切な知識をコンパクトにまとめる、という練習にもなります。
スキマ時間をうめられる
さらに、このスキマ時間を埋めるグッズがあるというのも、非常に効果的です。学校生活って想像以上に「スキマ時間」があるのです。例えば帰りの準備を済ませた後とか、体育の着替えが終わってからとか、給食が配膳される待ち時間とか。特に何もせずただ静かにして置かなければならない時間というものが学校には多く存在します。その時間がすべて「大切な情報を頭に入れる時間」に変わるのです。これには子どもたちも非常に有効性を感じていました。
知識の蓄積を可視化
これだけでも十分なのですが、せっかくなのでこのアイディアの発展型もご紹介します。キーカードには自分が大切だと思う情報を蓄積していきますが、何度もみるうちに完全に覚えてしまう情報も当然出てきますよね。もう見る必要がないカードをわざわざ保管しておかなくても良いので、そういうカードはどんどんリングから抜いていくように言います。そのリングからぬかれたカードを、透明のクリアボックスに入れていけば、クラスのみんなが獲得した知識が視覚的に蓄積されていく様子がわかります。クリアボックスを用意するだけでいいので非常に簡単で、楽しい仕組みを作ることができます。更に、学期末のお楽しみ会ではそのボックスからカードを抜き、みんなで早押しクイズ大会をする、なんていうイベントも開催可能です。