小テストをやる際のポイント
合格点と再テストのラインを決める
僕は小テストの合格点を90点と決めています。
意図は90点を目指させるため、というよりは、90点でひとまず満足させるためです。
というのも、けテぶれに熱くなっていくと「何が何でも100点じゃないとだめだ!」という意識が過剰に高まってしまう場合があります。
一見アツくていい姿に思えますが、これは裏を返すと100点じゃないと満足できない、1問でも間違えたら「失敗」と認識してしまう状態です。この状態で、98点、95点を連発すると、どんどんやる気を失っていくのです。だってそれらの点数はすべて「失敗」なのですから。これは結構危険な状態です。
努力すればノーミスですべての問題に対応できるようになるのなら、目指せばいいですが、そもそも人間はミスをする生き物。ノーミスの100点というのは、人間らしくありません。90点取れたら十分ハナマルなんです。
合格点を設定するのはそういう意図があります。
目指させるのは、再テストのラインを超えることです。小テストの場合これは80点です。80点を下回れば再テスト。
これは明確に示しておくのがいいでしょう。
合格点の設定について
ちなみに合格点は「大テスト…80点で合格、小テスト…90点で合格、けテぶれでの自分テスト…100点で合格」としています。
根拠は大学受験での大体の合格ラインが70点、資格試験などの合格ラインは60点付近であることが多いからです。10点刻みで大人の世界の合格ラインの感覚に近づけていこうという意図があります。
けテぶれに慣れてきたり、70点もいきなり目指せないというような子は、目標を自己設定させてあげるのもいいです。その場合は、テスト開始と同時に、テスト用紙の点数の欄に自分が目標とする点数を鉛筆でかいてもらいます。
そうすれば教師が採点するときに、自己目標に達したか達さなかったかがすぐに分かるので、フィードバックもしやすくなります。
上限を外す
次のページで詳しく説明しますが、けテぶれによって自己学習を進めるとき、その進め方には「縦に深める」と「横に広げる」2つの方向があります。
縦に深めるとは、学習範囲の理解を深めるために「なぜそうなるのか」と思考を深めながらいろいろなことを調べたりまとめたりする学習の方向性。
横に広げるとは、単純に、習っていないところまでどんどん学習していくという方向性。
小テストではこのどちらの努力も点数に加算される仕組みになっていると面白くなる。
「けテぶれ宿題革命」では、漢字の上限の外し方を書きましたが、その他、算数では問題の解説をかいたり、テスト範囲の学習のポイントをまとめたり、次の学習範囲の問題を少し掲載したりと、色々と上限の外し方はあります。
ここで上限を外すことによって、日々のけテぶれで簡単に100点がとれてしまう子も、どこまでも学習を広げたり深めたりする意欲が湧いてきます。
やっぱりやったことが目に見えて反映されないと面白くないですからね。
徐々に仕組みを加えていく
このような仕組みは、いきなり導入してもいいですが、新しい要素があまりにも多いと子どもたちも混乱しますし、先生もすべての要素を扱いきれなくなっていきます。
モチベーションが下がってきた頃に変化加えることで、また興味を引くことができるので、こういう仕組みは徐々に追加していけばいいです。
これは、「けテぶれ」のテと実質やっていることは変わらないという認識を。
これって、自分でできるんじゃない?
けテぶれの「テ」ってこれを自分でやることだよね?
みんなでやる時と自分でやる時との違いはなんだろう?
緊張感?本番感?誰かに採点されるってこと?違いがわかれば、自分で再現もできるよね。
けテぶれの「テ」はこの雰囲気、この緊張感でやれたら、本当の実力がわかるね。
特にけテぶれの「テ」ここで行う自分テストと、授業の最後に受ける小テストは本質的には何も変わらないことに気づかせる。自分でテストするのも、先生からテストされるもの、どちらも自分が今何ができていて何ができていないのかをチェックして、できていないところを分析して、練習するための”材料集め”に過ぎない。という認識。これは自己学習におけるけテぶれを定着させるためにも非常に重要な認識。