子どもたちの探究的思考が促進された
「自主学習ノートでの取り組み」で紹介したように、子どもたちの探究的な思考もとてもよく刺激された。これは文章産出過程と問題解決過程や探究的思考過程との類似性を示唆する結果となった。実際に学習指導要領で紹介されている探究のサイクルは「」とされているが、QNKSととてもよく対応する。
QNKSが定義する思考過程 探究のプロセスが定義する思考過程
[Q]問いを立てる 課題の設定
[N](情報を)抜き出す 情報の収集
[K](集まった情報群を)組み立てる 整理分析
[Q](文章や図表に)整理する まとめ発表
このように文章産出過程として紹介したQNKSは探究的思考との類似する性質があり、実際に子どもたち自主学習ノートでは探究的思考にも活用されることとなった。
このような展開は、フラワーのモデルのように文章産出過程を精緻に表現したものでは起こりづらかったのではないかと考える。基本的に同じような認知プロセスだが、そのプロセスを「問いを持って抜き出し組み立て整理する」という平易な言葉で示すということは、その言葉が意味する具体的な活動を様々に想定できることになる。「使いやすさ」を目指した平易さは、習熟するにつれて、発展性へとつながったということである。