千葉雅也『現代思想入門』を読んで
2022-05-17 facebookに投稿
TAバイトまでの時間を潰そうと思って入った生協で見かけて買って,思った以上におもしろく読みました。
おすすめです。
おもしろいなと思ったポイントを箇条書きで記録。自分に引きつけて読んだときの感想なので注意です。
・こういう本を手にとっちゃうのって,高校2年のときの倫理の授業があまりにおもしろかったことに端を発してる気がする。
・小学生の頃のぼくが卒業文集で偉そうに未来の自分にアドバイスしている「いろんなことをやっているうちにどうにかなるよ」的な内容はドゥルーズ+ガタリの思想のほぼまるパクリで草。もちろん当時はそんなもの読んだことない。
・フーコーの説明で出てくる「はっきりそれが何だかわからないような「ちょっと変わっている」とか「なんか個性的だ」というあり方を,ただそれだけで泳がせておくような倫理」が母校桐朋や,もしかしたら京大のスタンスにそっくり。
・上も含めて,思った以上に現代思想的思考回路が内面化されていたことに驚き。これがほぼぼくのOSといってもいいまである。
・第6章「現代思想のつくり方」がよかった。「構造主義的に,現代思想の「つくり方」のパターンを分析し」ている章。「自分で現代思想的に問いを立てるための原理」は自然科学系の研究の着想とかにも自然に応用できそう。
・行政的,監査的なものを哲学してみたら,案外いいよね,っていう著者のスタンス(そこまで明示されてるわけではないんで,誤読かもしれないけど)は,「東大駒場」を感じさせてよかった。行政的,監査的であることを敵視して痛烈に批判するのは簡単だけど,よく見たらそこにも深さがあるじゃん,それでいいじゃん,と。自分の中のもやもやがひとつクリアになった気分でした。
・「人生が変わる哲学。」っていういかにも釣りくさい帯も,案外的外れでないと思います。ぼくは元からそういうOSだったので大きくは変わらないかもだけど。
要するに,読んでて楽しかったのです。
もっかい読みたい。
2022-06-05 facebookに投稿
『現代思想入門』著者の千葉雅也のインタビュー記事を見つけた。
前編
後編
やっぱりどこか駒場っぽい人だなと感じる。