入不二基義「予備校文化(人文系)を「哲学」する」を読んで
#つぶやき
2024-06-09 facebookに投稿
入不二基義「予備校文化(人文系)を「哲学」する」
元駿台講師で青山学院大で哲学を教える入不二基義さんが公開された『予備校文化(人文系)を「哲学」する』という論考がおもしろかったのでシェアします。
多分単体ではこの論考の本筋になり得ない部分だとは思いつつ、おもしろかったのは、駿台の「二大巨頭」であった奥井潔と伊藤和夫の考え方を紹介した以下の部分です。
「奥井には、「自らの学問的な専門分野を持ち、その探究を続ける者にしか、教えることはできない」という信念があった。大学教員であるか否かにかかわらず、学問を追究する現在進行形の裏打ちがあって初めて、教壇に立つことができる、と奥井は常々語っていた。」
「奥井はまた、大学教員・学者やその予備軍である大学院生が、予備校の教壇から消えつつあること(大学と予備校の兼業が難しくなったこと)を、予備校の授業が「痩せてしまう」と危惧していた。同じ状況を、伊藤和夫は「大学教員や大学院生たちが、過酷な現場で教える機会・経験がなくなると、大学での授業が痩せてしまう」と、逆方向から危惧していた。」
浪人していたときに出会った、魔力的な魅力をもつ駿台の講師陣(もちろんそういう人ばかりではなかったですけれども)のことを思い出すと、なかなか説得力のある話だなーと思う自分もいます。