追記的週報 【2026年第7週/第8週】
【0656】 『時間のかかる読書 横光利一 『機械』 を巡る素晴らしきぐずぐず』 宮沢章夫(河出書房新社2009)¹ という本を図書館から借りてくる。文学エッセイ。実物を手に取ってみると想像以上に厚い(ソフトカバー、292頁)。用いられている紙が厚めのような気もする。スローリーディングの実践の書だけれど、その書を読む側までゆっくり読む必要はないかもと考え、文庫版(河出文庫2014)² で読みさしながら=行きつ戻りつ読むほうが適切と考えなおす。いったん返却しよう。
【0655】 論文タイトル 「6万7800年以上前のスラウェシの岩絵」¹ に遭遇する。ネイチャー 2026-02-19号² に掲載されている。同号のカバーストーリーでもある。➣〈岩絵〉 つまり 「ロックアート」 が新たに見つかったという報告。論文の内容はさておき、こうした壁画モノの報告でいつも気になるのは、その絵を描いたのは 「ひとり」 だけなんですか? ということ。当初の描き手が何万年も前の洞窟に入って絵を描き、その場所を去ってから、同じ洞窟に誰も入らなかったなんてことが信じられるだろうか? あとから洞窟に入った者のなかには、壁の絵を見つけて、思わず描き足りたりしたくなった者はいなかったのだろうか? #素人が科学誌をよむ 【 #追記 】 ロックアートに関しては手元に一冊の本がある:『ロックアート 神話そしてイマジネーション』 粟津潔+N・A・R・A探検隊=編(フィルムアート社2002)¹。あと以前から気になっているのが、『ワルビリの図像学――中央オーストラリア社会における図形的表現と文化的象徴性』(Walbiri iconography: graphic representation and cultural symbolism in a central Australian society)という洋書。➣アボリジニが砂の上とかチュリンガに描く/彫り込む図像――パターンとか記号――の意味を、人類学者 Nancy Munn 氏がフィールドワークによって明らかにしたというふれこみの本。1973年刊行。国会図書館で一度だけ手にしたことあり。じっくり読みたいと思いつつ数年が経過……。 【0654】 論文タイトル 「最小限の実験で電池のサイクル寿命を予測するDiscovery Learning」¹ に遭遇する。ネイチャー 2026-02-05号² に掲載されている。➣〈最小限の〉 と謳〔うた〕うくらいだから、これまでその 「電池のサイクル寿命の予測」 には手間がかかっていたことがうかがえる。そして、〈Discovery Learning〉 というなにやら、論文著者たちが開発したような手法の固有名らしき響きのある文言がみえる。一般名詞のようにも見えるけど、この2語はいずれも大文字で始まっているから固有名詞なんだろう。方法名をタイトルに込めるのに成功した(通常は編集サイドから拒絶されそうな気もする→宣伝に見えるから)研究チームのガッツポーズが目に浮かぶ。➣解説記事³ がある。そちらから読む。 #素人が科学誌をよむ 【0653】 サイエンティフィック・アメリカン 2026-03号¹ の目次が公開された。➣表紙のメインコピーは 「AI時代の生活」(Life in the Age of AI)――人工知能が生活環境のすみずみに進出しつつある世界を少々ダークに描いているもよう。特別レポートとして2本の記事=10頁以上が割かれている。記述が悲観的に寄るわけなので、読み手が逃げてしまわないように、表紙イラストの人物を逆に笑わせている?
【0644】
◉「コミュニケーション・ウォッシュ」 という言葉を知る――「やってまっせ感」 に近いか。
◉後継者を生まない(現時点で生んでいない)からといって当該営為をナナメに見ることはマチガイであると考え直す。
◉岩田久二雄氏による 『自然観察者の手記』 が再刊されないものか。
◉人類集団の、有史以前の生活風景を描いたイラストや絵をまとめた本を手に取ってみたいと思いつく――もしあれば。描き手も探す。
◉掲載されている写真がほぼすべてモノクローム写真であるような、現在刊行中の一般向けの雑誌はないものか――探す。
◉文体意識の高いつぶやき手を探している。有名な人ではなくむしろ(現時点では)無名な方で。探し方から探す……。
◉体育大学でスポーツライティングを学べたりするのだろうかという疑問がふと浮かぶ。
◉イトーヨーカドー大船店の前の広場が改装された、夜間にスケートボードのスポットとなりうる/既になっているのではないかと想像してみたり。
◉文具店で、商品知識がものすごく深い店員がいて、さまざまな相談にのってくれる店があれば、必ずやご贔屓にします。今はない残念。
◉フォロワーの旅先からのツイートを読む、ヌケ感が心地よく感じる、なぜか?――その理由を考えてみる、風呂に入りながら。
◉『基礎研究者 真理を探究する生き方』 大隅良典+永田和宏(角川新書2024)² という本刊行されていることを知る。264頁。➣と思ったら、『未来の科学者たちへ』(KADOKAWA 2021)の新書化であった。書名を変えているのが心憎い。どうして変えるのだろう。再読させていただく。
◉科学系フリーペーパーの構想を生成AIと話したら、意外なほどアツい出力が返ってきて少々驚く。
◉『翠雨の人』 伊与原新(新潮社2025)という本¹ を読みはじめる。288頁。伝記小説。テンポがいいと感じる。ドラマ化されそうな予感がする。朝ドラとか? #zap 【0652】 生成AIに、既存の科学論文のタイトルを別様に(例えば非専門家向けに)仕立て直してもらうことを考える。手順:①まず、オリジナル論文のアブストラクトを読ませる:具体的にはURLを示す。②そして、タイトルの言い換えに際してNGワードを設定しておく。オリジナルタイトル中のわりと重要な単語(専門用語は言うまでもなく)をNGワードとする。➣そうすると、うまくいけば、生成AIからの出力は抽象度が増したものとなって、非専門家つまりは一般の科学ファンにも興味をもてる論文タイトルができあがる(かもしれない)という寸法。➣以下の論文を対象に試してみた:【論文名】「遺伝子重複の年代推定が明らかにする真核生物の進化的組み立て」(ネイチャー 2026-02-05号)
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これを読んで、非専門家が興味を持つように、論文タイトルを変更して日本語で出力してください。ただし、以下の単語はNGワードとします:「重複」 「年代」 「真核生物」
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➣生成AIが出力してきた別タイトル:「複雑な細胞機能の進化の順番を遺伝子の記録からひも解く」
➣別タイトルを疑問文で(さらには命令形で)出力してもらうことも可能だろう。
【命令形の例】:「遺伝子に刻まれた手がかりから、細胞進化の順番を探れ」 とか 「生命の設計図を追え――細胞が複雑になるまでの道筋を解き明かせ」 とか。
【0651】 『教育とは何か』 ティム・インゴルド(亜紀書房2025)¹ という本で遭遇した一節:
ミーム的な伝達という発想それ自体が、文化という鏡に映った科学的合理性の反転像であるという結論は否定しがたい。(p041)
➣ちょっと意味が取りづらい(でも気になる)、なので、生成AIに解読を依頼する:出てきた解釈が以下:
「文化をミームという情報単位の伝達として捉える考え方は、科学的合理性の枠組みを文化に投影したものにすぎないのではないか」
➣さらには(平たくいうと)、
「文化をミームのような情報のコピーとして考える発想は、科学が自然を扱うやり方を、そのまま文化に当てはめた結果にすぎないのではないか」
➣なるほど。
【0650】 オリンピックの映像が見るともなく目に入ってくる。あたかも 「軽業師のように身体が動いている」 他者を目の当たりにすることになる。➣でも待て、「軽業師」 という存在を自分は実際に見たことがあったか?➣「雲をつかむような話」――実際に雲をつかもうとした人はいない(はず)、「竹を割ったような性格」――なぜ竹なのか?松ではダメなのか、「のれんに腕押し」――のれんに腕を押し当てた経験はない、「二の舞を演じる」――ならば一の舞もあるのか、「青天のヘキレキ」――ヘキレキって何?、「シノギを削る」――シノギってそもそも?、「絵に描いた餅」――モチを絵に描くことはあまりない気がする。
【0649】 『物語の 「森」 を抜けて なぜストーリーには構造が存在するのか』 ジョン・ヨーク(フィルムアート社2025)¹ という本が気になる。464頁。この本は、ランディ・オルソンの 『なぜ科学はストーリーを必要としているのか ハリウッドに学んだ伝える技術』(慶應義塾大学出版会2018)² において、原書 『Into The Woods: How Stories Work and Why We Tell Them』 が参照されていたと記憶する。➣科学の語りについての言及はあるだろうか。
【0648】 SNSの科学系アカウントは、ポストの文章に必ずといっていいほど画像が添えられている――写真とかイラストとか。人間の目はまずは(派手な)画像にひきつけられる。それでお腹いっぱいになってしまうこともあれば、ポストに書かれる内容をについてこちらが深く考えることを無意識のうちにやめさせられていることもある――残念だ。➣調べてみたところ、(特定のサイトの)画像のみをオフにできる、ブラウザ側からの操作が可能なことを知ってとりあえず実行してみる:【手順】 Chrome のサイト設定で、「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」→「画像」で、〈画像の表示を許可しないサイト〉 に、該当SNSのURLを放り込む。これでタイムライン上の画像は消える。アカウントのプロフィール画像(アイコン)も非表示となるのはまあご愛敬。
【0647】 『読書アンケート 2025 識者が選んだ、この一年の本』(みすず書房2026)という近刊が気になる。216頁。回答者は前年度版(2024)の152人から161人に。990円。➣この冊子は以前PR誌の時代に定期購読していた頃はもっと安価に売られていてありがたかった。➣アンケート回答者の大半はアカデミック方面の方々であり記述の臭みが強い。なのでゆっくり読むべき。夏ころに手に取ろう。
【0646】 渡辺京二氏による2冊の選書――『私の幕末維新史』(新潮選書2025)¹ と 『私の明治時代史』(新潮選書2026)² が相次いで刊行されている(それぞれ224頁&256頁)。書誌データには 「幻の連続講義」 という文言が踊る。著者は4年前に亡くなっている(調べた)。➣物故後の刊行ということは、存命中には本人による出版の許可が下りなかったということを意味するのではないかと推測する。なぜか?――ひょっとすると、それらの講演では、わりと突飛な論考が展開されていたのではないかと想像する――放談的というか。興味深いので入手して読んでみたい。
【0645】 『学問の自由が危ない 日本学術会議問題の深層』(晶文社2021)¹ という本が気になる。304頁。➣学術関係者たちの反応をまとめた本なので、主張のトーンは一方的と予想する。さらに、「緊急出版」 という惹句も紹介ウェブページに見受けられるので、読み手としては、アテられるのを避けるべく、著者たちの意見とは反対の、あるいは中立的な別の本を併せて読むべきと考える。探す。