追記的週報 【2025年第18週】
【0397】 サイエンティフィック・アメリカンのバックナンバーのダウンロード作業も佳境に入る――1900年(明治33年)まで到達。科学誌のバックナンバーの愉しみ方として思いついたのは、おりおりの時代においてなされてきたであろう、未来予測の記事を、現在から振り返って読み直すことが挙げられる。➣碩学たちがどのような視座からどのように未来を予測をし、たいていは見事に外し、その外しっぷりを逆に愛でる読み方がある。➣➣過去の科学誌を読むことの功徳については、『頭にガツンと一撃』 ロジャー・フォン・イーク(新潮文庫1990)という本にも記述がある。引用する:
私は二十世紀初期の古い通俗科学雑誌を読んで、アイデアを得る。当時提案されながら、素材が手に入らなかったために実用化されなかった、多くの優れたアイデアがある。しかし、いまでは、これらを実用化する素材が手に入る。(p173)
【0396】 米国の科学誌 『サイエンス』 印刷版のデザインが今週号(2025-05-01号)¹ から変更になったもよう。エディトリアルのページ² で説明されている。発行日も木曜日に変更されると書かれている――『ネイチャー』(英国の科学誌)と同じ曜日になることを意味する。➣新デザインの印象を感じるべく、実際に紙版を手に取って眺めたいところ。近くの図書館では、横浜市立図書館中央館(野毛にある)の3F洋雑誌棚にあって誰でも読むことができる。確かめにいこう。➣ちなみにネイチャーは、同館では講読を数年前に停止してしまっている(価格が高いから?)。➣やはり、科学誌は紙で読むにかぎる。科学的知見との予想外の出会いは印刷版ならでは。特にアマチュア/科学ファンにとっては。
【 #追記 】 最新号の目次(Table of Contents)ページ³ のPDFを見るかぎり、すっきりした印象を受ける。
¹ https://bit.ly/4lZv0hG
² https://bit.ly/44lWec5
³ https://bit.ly/44FdUjh (PDF)
【0395】 『Ways of Being 人間以外の知性』 ジェームズ・ブライドル(早川書房2024)¹ を読みすすめる。496頁。➣解説ページ² が公開されている――「デジタル時代のネイチャーライティング」 と謳われている(たしかに)。以前読んだ、『この惑星を遊動する インターネット時代にもうひとつの生き方を求めて』(岩波書店1996)³ に似た手触りを感じさせてくれる。
¹ https://bit.ly/3RcIMQy
² https://bit.ly/3ELZsLG
³ https://bit.ly/4d0JpGx
【0394】 論文タイトル 「アスピリンは血小板TXA₂によるT細胞免疫抑制を制限することで転移を防ぐ」¹ に遭遇する。ネイチャー 2025-04-24号² に掲載されている。➣タイトル文の先頭と末尾をつづめて読むと、〈アスピリンは……転移を防ぐ〉 となる。〈転移〉 とは何の転移かといえば 「腫瘍の転移」 を指す。アスピリンは極めて入手しやすい薬剤。副作用はあまり聞いたことがない。➣こういう研究結果が出ると、がんサバイバーの方々が熱心に(日常的に)アスピリンを服用するようになるのかなと考える。ただし、研究はマウスを対象としたもの。 #素人が科学誌をよむ
¹ https://go.nature.com/4iYxpH3
² https://go.nature.com/4cMnKSk
【0393】 未来研究を概説した本とおぼしき、『未来学 人類三千年の 〈夢〉 の歴史』 ジェニファー・M・ギドリー(白水社2025)¹ という本が気になる。原書は、『The Future』(Oxford Univ Press 2017)²。オックスフォード大学出版局の入門書シリーズ(A Very Short Introduction:略称VSI)の一冊。➣この入門書シリーズはどれも薄くていい。日本の新書でも、もう少し薄くて(=ページ数が少なくて)、デザイン面にも気を配ったレーベルが登場するとありがたい。➣関連する(かもしれない)和書として、『未来を変えるちょっとしたヒント』 小野良太(講談社現代新書2010)³ を読んだことがある。192頁。引用する:
学校でも、会社でも、未来について教えてくれる人がまったくいない(p007)
未来に何かしら暗いものを見ている人は、現在の気持ちも沈んでしまいます。その反対に、未来に明るい何かを見ている人は、現在、生き生きとした毎日を送っています。(p015)
未来には、過去や現在に起こったことのない、今までの体験外のことが必ず起こります。(p032)
未来についてネガティブなイメージを持っている人は現在の問題に対する対処能力が低くなりがちである(p044)
ビジョンは未来の成功を約束するものではありませんが、ビジョンをもつことからしか、未来の成功への扉は開きません。(p055)
「未来は、すでに決まっているわけではなく開かれている」(p083)
未来を考える時には、様々な知識を積極的に活用する必要があります。(p097)
未来は可能性の宝庫です。そこに向かう時に、限定された自己イメージなど、何の利点もないのです。(p121)
「未来を一つだけに限定して考えてはいけない」(p177)
¹ https://bit.ly/42T0aP8
² https://bit.ly/4jy3BlF
³ https://bit.ly/3njo55X
【0392】 論文タイトル 「過去800万年にわたるアラビアにおける湿潤な期間の繰り返し」¹ に目が止まる。ネイチャー 2025-04-24号² に掲載されている。➣とっさに浮かぶ問い――大昔の気候の指標は何なのか? 「湿潤期」 を示す証拠とは、具体的にどういうものなのか。過去の状況を推測する証拠として、化石が使われることが定番だけれども、何かの化石を分析するとして、その化石のどのような性質をもって、〈過去800万年〉 の間において、しかも特定の気候を示す期間が 〈繰り返し〉 現れた、と言えるのかが気になる。解説記事³ を読むことにする。 #素人が科学誌をよむ
¹ https://go.nature.com/3Yk6Qo2
² https://go.nature.com/4cMnKSk
³ https://go.nature.com/44Kb0JK (A wetter ancient Arabia)
【0391】 ◉ときおり読み返したくなる(読み返すべき)本:『科学はひとつ 宇宙物理学者による知的挑戦の記録』 戎崎俊一(学而図書2023)¹ ◉𝕏でフォローしている人たちがぽつぽつとBlueSkyへ完全移行しつつある。◉『グーテンベルグの時代に回帰する』(子鹿社2025)という本をめくる。152頁。ヌケのいい本。➣ピロスマニという画家、&『マチスの肖像』 という本のことを教えてもらう。◉「模倣の欲望」 理論を説明する新書/文庫を探している。◉市議選が終わり、町に静けさが戻る。 #zap
¹ https://bit.ly/3EqGAOu
▶▶【2025年第17週】 https://bit.ly/3EwbVmw