映画_オッペンハイマー_クリストファー・ノーラン監督
https://www.youtube.com/watch?v=Uoctuzt2IfU
<ストーリー>第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。これに参加したJ・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれてゆくのだった―。
監督、脚本、製作:[クリストファー・ノーラン 製作:エマ・トーマス、チャールズ・ローヴェン 出演:キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー 被爆国である日本人として、映画「オッペンハイマー」は題材そのものが憂鬱。エンタメとして消費し、西洋人と同じような感想を言うのもイヤだし、作品を見ないでグダグダ言うのもイヤ。と、いうことで自分としては珍しく結構な事前予習をして臨んだ。
見てみると、この「主題の問題」は別にしても、3時間と長い上に、相当に不親切なつくりの映画になっている。正直、軽い興味本位での鑑賞は特にお勧めしません。(映画玄人の間でも、映画のみだと1回目では話がわからない、と言われており、確かにそうだった。それでアメリカで商業的に成功した事実に興味をひかれる)
予習の中で素晴らしかったのは、藤永茂「ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者」(ちくま学芸文庫)。北米で長く働いた物理学者(身内に被爆者もあり)が記した本。オッペンハイマー氏に対する歴史的な評価(評伝本)には色々あるそうだが、本映画はこの本に近いスタンスとされている。映画きっかけでこの本が読めただけでも良かった、と思ったくらいに良い本だった。
自分の「日本人」としてのこの映画(歴史)への感情はなかなか書ききれない。クリストファー・ノーランなりの誠実さは感じたが、それを褒めたいわけでもない。日本で公開されたことは良かった。一つ言えば、スパイク・リー監督は頭抜けて立派な人だと以前から思っていたが、この人の本作に対するこの意見(コメント欄)が、見終わったあとでもやはり残る。
IMAXではなく普通の劇場でみた
ゲイリー・オールドマンは引退してしまうのか心配していたのだが、これに出ていて良かった