映画_偶然と想像(2021)_濱口竜介監督
https://www.youtube.com/watch?v=PK-L5zso-KY
2021年12月17日公開。第71回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリを受賞したヒューマンドラマ。かつての恋人に親友が思いを寄せていることを知った女性を筆頭に、偶然と想像をテーマにした三つの物語が展開する。メガホンを取るのは『ドライブ・マイ・カー』などの濱口竜介。『十二人の死にたい子どもたち』などの古川琴音、『グッド・ストライプス』などの中島歩、『水の声を聞く』などの玄理のほか、渋川清彦、森郁月、甲斐翔真らが出演する。 内外での評価が高まり続ける濱口監督。オスカーの季節を前に、こちらも見ておこうと思った。東京では現時点でBunkamuraのみ。
人に安易に薦められる娯楽作ではないが、ストーリー、演出などのレベルがやはり尋常でない感じ。というか、自分は多分この映画に張り巡らされている深淵を一度見ただけでは全て理解はできていないのだろうと思う。
三つの短編。それぞれが、「演技」をすることについての映画に思えた。人間は演技をしながら生きている。どこまでが演技でどこまでが本音なのか。自分からも他者からも分からない。本音を他者に見せることが救済になる場合もあるし、そうならないこともある。そんなことを脚本と演出で精密に表現する濱口監督が恐ろしい。
映画だけど純文学。村上春樹っぽい。令和の村上春樹がここに生まれ変わって誕生したという印象を受けた。自分の貧困な筆では、どこがどう共通である、と細かく説明をしきらないが。本質へ深く深くゆっくりと潜ってから表現に落とし込める方なのだと感じる。 長尺が多い濱口作品だが、これは全体で2時間という長さなことはありがたい。個人的Favoriteは第一話だった
2022/1/12
Bunkamura