映画_リアル・ペイン(2025)_ジェシー・アイゼンバーグ監督
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監督・脚本・製作・主演ジェシー・アイゼンバーグ&キーラン・カルキンが従兄弟役で共演!第40回サンダンス映画祭 受賞作『リアル・ペイン〜心の旅〜』2025年1月31日公開!
【ストーリー】ニューヨークに住むユダヤ人のデヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)とベンジー(キーラン・カルキン)は、亡くなった最愛の祖母の遺言で、ポーランドのツアー旅行に参加する。従兄弟同士でありながら正反対の性格な二人は、時に騒動を起こしながらも、ツアーに参加したユニークな人々との交流、そして祖母に縁あるポーランドの地を巡る中で、40代を迎えた彼ら自身の“生きるシンドさ”に向き合う力を得ていく。
「リアル・ペイン」、評判通りすごく良かった。
映画館で観られて本当に満足。ポーランドの美しい風景と、ショパンのピアノの旋律。その組み合わせがあまりにも自然で、心に染み渡る。音楽が良い映画は、それだけでもう半分は成功している気がする。今回は映画館(日比谷シャンテ)の素晴らしい音響で聴けたのもあって、より一層心に響いた。こういう映画こそ、きちんとお金を払って観たい。1,500円で観られて大満足。
物語はシンプルで登場人物も少ない。傷ついた魂同士が、静かに触れ合う。大きな事件が起こるわけではないのに、じわじわと心に迫るものがある。こういう映画こそ、役者の演技がすべてを支えている。ふと、AppleTV+の「その道の向こうに」という映画を思い出した。あの作品も演技が光っていたけれど、本作も同じく、俳優たちの存在感と演技力が際立っていた。
そして何よりもキーラン・カルキン。彼の演技が本当に素晴らしかった。ドラマ「サクセッション」でも強烈な印象を残していたけれど、あの甲高い声が帰ってきた。本人にしか見えない。本作で彼が演じるキャラクターは背景がすべて語られるわけではない。でも、だからこそ、観ている側がいろいろ想像したくなる余白がある。こういう繊細で才能があって、でも少し面倒くさい人って、現実にもいる、と思うのだ。
それにしても驚いたのは、エマ・ストーンがこの映画のプロデューサーとして関わっていること。彼女は大作からインディーズ映画まで幅広く手がけているけれど、こんな佳作にも携わるなんて。今の映画界の中心と言って良い。
原題、A REAL PAIN だ。これ大事。あくまでA REAL PEAIN、としてこの作品は提示されている。
2025/2/4