文章は接続詞で決まる。(石黒圭、読書ノート#0063)
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- 定義:P26-27
- 論理:前後の文脈が条件関係によって関連づけられることを示す。
- 順接(こうなればこうなる)
- 「だから」系:原因−結果の橋渡し
- 書き手の責任で結びつけられる因果関係
- 対象そのものの論理によって結びつけられる因果関係
- 「それなら」系:仮定をもとに結果を考察
- 因果関係(仮定ではなく)
- 前提となる条件関係が新たに生まれる瞬間を注視:P67
- 逆説(こうなってもこうならない)(こうなったけどこうならなかった)
- 「しかし」系
- 使いすぎて、単調にならないように:P85
- 「しかし」との使い分け:P74
- 「ところが」系:強い意外感、書き手の意図を明確に伝えることを可能にする。
- 読み手にとって予想外の展開を示す:P82
- 硬い、論理的
- 情緒的
- 整理:ある話題について同じレベルにある事柄を対等に並べて示す。
- 並列:共通点・類似点のある事柄を並べる。過剰使用に注意
- 「そして」系
- 単なる「&」ではない。最後に1つ大切な情報を付け加える。
- 「&」に近い.乱用注意
- 「それに」系:累加(だめ押し)
- 同じ対象に別の側面から言及
- 「かつ」系:理論重視、厳めしい
- AかつB、同時に満たす
- P101
- 対比:相違点・対立点のある事柄を並べる
- 「一方」系:対立を表示。(P103)
- 「または」系:複数の選択肢
- 2つの内から選択
- 3つ上から選択
- 列挙:共通点・類似点のある事柄に順番をつけて並べる。(序列副詞)
- 列挙をまとめる、上位の文章が必要
- 「第一に」系と「最初に」系との混用は不可
- 「第一に」系:文章の中の箇条書き、順番の入れ替えが論理的に可能
- 「最初に」系:順序を重視した列挙(時間的順序性)
- 「まず」系:列挙のオールマイティ(P114)、「第一に」系や「最初に」系との混用可能
- 理解:読み手の理解に歩み寄るとき
- 換言:先行表現のわかりやすく言い換える。
- 「つまり」系:端的な言い換え、置換
- 「=」に近い
- よりわかりやすい言い換え。書き手の解釈や意見が入る。
- 「つまり」よりも更に主観的。論理の飛躍に注意
- 「むしろ」系:否定することで表現を絞る。
- 常識や直感を否定する。明確な根拠を示す必要がある。
- 先行表現よりよりふさわしい表現の出現を導く。
- 例示:先行文脈の理解を助ける具体的な例を提示する。
- 「たとえば」系;抽象と具体の往還を助ける。
- 複数から1つ選ぶ
- 先行文脈に書き手の判断は入れない(P1285)
- 具体例が1つに限られる場合
- 「とくに」系:特別な系で読者を惹き付ける。
- 補足:先行文脈で欠けていた理由や条件を補う。情報を後ろから補う。
- 「なぜなら」系:使わない方が洗練された文章になる。
- むしろ、先行文章を「〜からです。」で終える。
- ここらは理由だと、予告したい時に使用する。
- 「ただし」系:補足的だが、理解に役立つ情報が続く
- 展開:話の本筋を切り替えたり、まとめたりする。文章の全体構造に関わる、大きな接続を担う。
- 転換:話の大きな分岐点なので、意識を促す。
- 「さて」系:周到な準備の元に、さりげなく使う。
- 元々準備していた話題に戻る。
- 自由な連想。いきあたりばったりのように、みせかける。
- 「では」系:話の核心に迫る転換
- 最終段階に入る印象
- 結論:それまでの内容をまとめて、最終的な結論に帰着させることを予告する。
- 「このように」系:率直に文章をまとめる。
- 以上述べてきた内容のとおり
- 「とにかく」系:強引に結論へと急ぐ。
- 使用注意。論理の飛躍
- 文末:文末で構造化に貢献する。
- 文末接続詞:文章を超えたレベルで先行文脈と後続文脈の連結関連を示す。
- 否定の文末接続詞
- 先入観の否定とそれにかわる肯定表現
- 読み手の心に疑問を生ませる。
- ほかにもあることを予告する。
- 疑問の文末接続詞
- 問題提起文、乱用に注意
- 説明の文末接続詞
- 「〜のだ。」系:文章の流れにタメをつくる。乱用注意(P166)
- 「〜からだ。」系:理由を明示する。
- 意見の文末接続詞:論証の流れから、結果的にそこへ帰結することを示す。(P177)
- 「〜と思われる。」系:書き手の判断に必然感を加える。
- 自然にそうなる、という帰結を表す。
- 論理の必然的な帰結を重視している。
- 「〜のではないか」系:慎重に提示する。
- 「〜必要がある。」系:根拠を示したうえで、判断に至る。
- 話し言葉
- その場の空気を転換させて、話し手が主導権を握るために。