1.5 テストの心理学
独立性を確保したテスト
ソフトウェアを作成した本人が実施するテスト
中身を知っているから多くの欠陥を見つけることができる
先入観、時間的猶予の不足、プレッシャーがテスト結果に影響を与える
緊迫した状況でのテストは効果が望めない
テスト担当者によるテスト (= 独立性を確保したテスト)
先入観、思い込みのバイアスは排除できる
テスト対象の理解などの時間が必要
テストの目的によって使い分けが必要
独立性の度合い
一般的に独立性が高くなればなるほどバイアスの影響が薄くなる
ソフトウェア作成した本人がテストを設計する
独立性は低い
誰よりも熟知している
プログラム作るときに勘違いがあれば故障や欠陥に気が付けない
開発担当とは別の開発チームの人がテスト設計する
作成者の先入観は排除できる
作成者のクセや陥りやすいポイントをレビューできる
開発担当とは別の部署(独立したテストチーム、QA部署)またはテストの専門家がテスト設計する
独立性は高い
客観的なテストが可能
開発担当とは別の会社の人がテスト設計する(業務委託、外部団体の認証)
独立性が最も高い
テスト目的の明確さ
「欠陥を見つける = テスト」って訳ではない
「ソフトウェアが目的を果たしていること」の確認の方が多い
目的を明確にすることでテスト計画の立案ができ、プロジェクト都合に合わせることもなくなる
欠陥のフィードバックとコミュニケーション
テスト担当者と開発者で、どちらも品質を担保した開発を行うという意味で優位性に差はない。
それぞれの立場で有効な手段を打っていく
見つけたエラー、欠陥、故障は前向きに捉える
テスト担当者と開発者間の対立を避けられる
実際聞いた事がある例
「テスターがバグ見つけるから開発が遅れるんです!!」
テスト担当者がインシデントを報告するだけでは品質は改善されない
以下を正しく開発者に伝えましょう
利用者への影響度
再現手順
正しく伝われば欠陥が修正され、初めて品質改善に繋がります
テスト担当者と開発者間のコミュニケーションに問題があると正常に処理が実施されなくなる
テスト担当者、テストリーダーは建設的に作業が進むようにコミュニケーションスキルが必要になる
テスト担当者と開発担当者の心理の違い
置かれている環境が異なると、心理的な温度差も生じてくる
コミュニケーションや関係改善の方法
テスト担当者と開発担当者は敵対者じゃない
同じ品質のゴールに向かっている
プロダクトに対する指摘は中立
作り込んだ担当者に非難が向かないようにする
他人の気持ちや反応を理解する
互いに置かれている状況を理解して、強調して問題に挑む
欠陥対応が進むように、インシデントか故障かを切り分け、故障の再現確認、環境の提供などを判断していく
自分の言ったことを他人が理解、他人が言ったことは自分も理解できるように
インシデント報告は開発者への中傷ではない
テスト担当者は適切な情報を提供しましょう
故障が与える影響度が明確になっている
再現手順が正しく報告されている
理解しやすい適切な表現を用いた報告になっている