Pranky Illusion Museum: 騙す側と騙される側に分かれて体験するインタラクティブな錯視コンテンツ
◎海野貴智(明治大学), 橋本直(明治大学)
錯視の中には,観察位置によって幾何学的な構造の解釈が変化する性質を持つものがある.我々はこの性質を活かしたインタラクション設計を行うことで錯視に新しい楽しみ方を提供できるのではないかと考えた.そこで本研究では騙す側と騙される側に分かれて体験する錯視コンテンツを提案する.提案手法ではまず騙す側が展示物の変形を行う.展示物の変形は騙される側の視点位置と連動して行われるため,騙される側の視点では展示物に外観上の変化が見られない一方で,展示物に対してボールを落としたり照明を当てたりした際に形状と矛盾した物理現象が観測される.その後,騙す側は錯視を発生させている仕掛けを解除することで騙される側に対する種明かしを行うことができる.本稿では体験デザインや実装方法について説明し,バーチャル美術館における評価実験の結果について報告する.
動画
https://www.youtube.com/watch?v=vvvd3_smbeM
影の使い方が肝な気がしてきました。mmina.icon
editorのスキルによって結果は変わらないでしょうか?mmina.icon
それぞれの作品の前には前室を設けており、自分のできる操作を確認させ、また相手からはわからない変形だということを理解させることを意図していました。大半のグループが意図通りに騙し・種明かしということを理解していたようでした。全員が情報系の学生だったことも関わっていそうなので、質疑で言っていただいたように、多くの方に体験してもらうのが重要だと考えています。(海野・明治大)
CG での実現だと。すべてがまやかし、特撮合成と疑われたりしないか?(平賀・筑波大)
これについては私たちも懸念事項のひとつだったのですが、今回の実験の範囲ではその手のクレームはなかったようです。また、種明かし後も、元の視点に戻れば錯視現象が発生することを再確認できるので、非物理的なズルを行ってないことをある程度信じてもらうことは可能です。ただ、この疑念を完全に拭い去ることは不可能なので、実世界版も作りたいとは考えています(橋本・明治大)
実験は対面で行ったため、相手が目の前で操作しているということも関わっていると考えています。(海野・明治大)