集合知型音楽キュレーションサービスの実装とその分析
CGM の広がりなどによって,アクセス可能な音楽は膨大になっているが,その一方で音楽が埋もれてしまっている.音楽の検索に関する仕組みは多々あるが,音楽名やアーティストの名前,ジャンルなどのキーワードでしか検索することは難しく,「元気が出る曲」や「眠い時に聴く音楽」といったユニークな検索意図を持つ場合に,音楽にたどり着けないことは多い.そこで本研究では,音楽視聴者の持つユニークな音楽へのニーズに対して,それをリクエストとして投稿することで,他者が楽曲を回答してくれるという仕組みを実現し,集合知を利用することにより,適切な回答となる曲を収集し,プレイリストを構成する手法を提案する.本項では実際にユーザが音楽に対する需要を質問として投稿し,それに対して他者が楽曲を回答できるシステムとして mureQ を開発し,その利用状況についてユーザへのアンケートも交えながら分析を行った.また運用の結果によりその特性を明らかにした.
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参考資料
質問・コメント
「キャンプで火起こしをしているときに合う音楽」というので笑ってしまった mmina.icon
こういう集合知系?サービスって他にもあるんでしょうか (増田:東大)
人力検索はてななど,集合知型のサービスはいろいろあるようですが,音楽に特化したものは調べた限りだとなかったです(小松原)
この手のサービスで質問する側のインセンティブはわかるのですが,答える側のインセンティブ設計が気になります.
集合知型のサービスでは質問者の助けになりたいといった意識や今回の音楽の場合では自分の好みを推薦できるという点で回答を促すようになっています.類似したようなサービスでもそこまで報酬をアピールしたようなものは少ないので,金銭的なものはあっても少額やポイント制であるかなという感じです(小松原)
数多あるサブスクサービスのプレイリストで人力で作られているプレイリストなどもあると思いますが,そういったものと比べるとどのような違いが出るのか純粋に気になりました.(平井・駒大)
大手のものだと,ある程度知名度的に偏りが出てしまったり,似たような題名のものも多いように感じました.mureQでは各ユーザの投稿によるので,知っているアーティストの領域によるランダム性があると考えています.また,mureQでも似たような題名のものはありますが,自分の投稿したリクエストに集まるのでそこで鑑賞対象を迷うといったようなこともなくなると考えています(小松原)