言語化と画像の分割表示による模写時の観察支援手法の検討
デジタル環境の普及により,独学でイラスト制作に挑戦する初心者が現れた.こうした初心者の多くは,自分だけで観察をすることを意識出来ず,観察から十分な情報を得ることは難しい.そこで我々は先行研究において,初心者を対象に人の顔を模写する際,観察時に見本の特徴を言語化させることで,細かい部分の書き込みが増えること,パーツの配置や大きさについて大きく見本とずれてしまうことを明らかにした.この結果を踏まえ本稿では,見本とのずれの原因について考察するとともに,画像を視点ごとに分割したうえで言語化させる手法を提案し,その手法によって言語化が変化し,観察をより深く多面的に行えるようになるか検証するため,模写における描画対象の特徴を言語化する実験を行った.その結果,提案手法によって言語化が多面的,具体的な内容となり,描画対象全体に対して観察が行われることを明らかにした.
https://scrapbox.io/files/60515731fae3a5001c685a37.png
参考資料
質問・コメント
今後の予定に書かれていますが、やっぱりいきなり言語化しろと言われても何をどう書けばよいか途方に暮れないかなと思いました。最初はテンプレ文があったり穴埋めさせるようなステップがよいかもしれません。mmina.icon
実験協力者の中に「鼻について言語化するのが難しい」と記述している人がいました.また,形や色についてもなかなか具体的になりづらいという結果も出ているので,今後は言語化の方法についてもなんらかのガイドを提示していこうと考えています!
顔以外の物体の場合はどうなるでしょう。基本は一緒かもしれませんが、対象をどうするか。ランダムに領域を切り出すのもアリかもしれませんが。また、陰影も観察する意義が大きそうに感じました。mmina.icon
顔以外だと,動物や背景への利用が考えられますが,ランダムに領域を分割すると言語化しづらくこの手法はあまり有効ではなくなってしまうと考えています.ただ,観察の先入観を排除したり,相対関係の観察を促すために大きな領域で分割する方向性もありかなと考えています.
ご意見ありがとうございます!