深層学習を用いた音楽の和音進行の推定
◎陳偉博, 小坂直敏(東京電機大学)
近年,SNS と文化産業の発展に伴い,自作の音楽を発表する場が増加している.しかし,音楽の制作,すなわち作曲や変奏などの工程は,専門知識を持っていなければその実現は困難で,自動作曲技術の進展とその利用が望まれる.筆者らは,自動作曲技術中の自動変奏工程を支援することを目指して,与えられた譜面からその曲の和声進行を自動的に抽出する問題について検討した.まず,入力の譜面を自然言語の構文解析のように分節し,その分節結果から指定した形の入力データに変換した.次に,入力データを DNN と LSTM を利用した二段階構造の和音推定システムへ入力して,和音を推論する.ベートーヴェンのソナタ全 32 曲の譜面と和声のデータベースを入力としてネットワークの学習を行った.本システムのセグメンテーション結果と和音推定結果について,音楽的に判断された正解結果と比べ,それぞれ正答率 94.4 %と 88.5 %で推定できた.
論文はこれから拝見しますが、なかなか優れた成果と見受けられます(うちの研究室でも似たようなことやっている学生がいるので) (平賀・筑波大)