合奏のテンポ制御における相互作用の分析
◎湯浅崇司, 堀内靖雄, 黒岩眞吾(千葉大学)
二人の人間同士の合奏において,独奏者と伴奏者には固有の役割が存在し,一般に独奏者は自身の希望するテンポで演奏を行い,伴奏者は独奏者の演奏に追従する形で合奏を行っていると考えられている.しかしながら,合奏ではお互いに協調することが必要であることから,独奏者も伴奏者の演奏を無視して演奏することはできない.そのため,伴奏者の影響を受けて独奏者自身のテンポを変化させる相互作用の存在が予想されるが未だ解明されていない.そこで本研究ではお互いの演奏が聞こえる状態での合奏データと独奏者が伴奏者の演奏が聞こえない状態での合奏データを比較分析した.結果として,独奏者の相互作用の存在が明らかになったことに加え,相互作用の有無による演奏者のテンポ変化の違いが示された.
ハノンを題材にするのはやり過ぎな気が...全音ユニゾンだと1音単位で「ずれる」ことに敏感になりすぎる気が(橋田:福公大)
質問ありがとうございます。共著者の堀内(千葉大)です。以前から、合奏では、独奏者は伴奏者を無視して演奏することはできない、と言われているのですが、それを検証した研究を見付けることが出来なかったため、まずは極端な例として、ハノンを使って検証しました。ですが、ご指摘頂いた通り、伴奏者が刻みでその上で独奏者が自由に演奏する、というような場面も将来的には考えてみたいと思っています。コメントありがとうございました。