未来予測と先手の知財(経営)戦略
経営は未来を見据えないといけないですね。
優れた経営者はビジョナリーでもあります。
未来を予測してビジョンを描きましょう。
https://gyazo.com/588a6cdd8539439f62d8e21ba427c3b0
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市場の未来予測ができれば先手を打って勝てる
その方法論を一緒に考えて行きましょう。
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未来予測のための情報収集
情報収集その1:技術ロードマップ
将来、どのような技術が発展して行くのか、技術ロードマップを描いてみると
その先が見えてくるかもしれません。
例:ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の技術ロードマップ
引用元:官民 ITS 構想・ロードマップ 2018
平成30年6月15日 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・ 官民データ活用推進戦略会議
https://gyazo.com/3c7d7db1f5a67e3c1dce49d6b740fca7
官民 ITS 構想・ロードマップ 2015
官民 ITS 構想・ロードマップ 2016
官民 ITS 構想・ロードマップ 2017
官民ITS構想・ロードマップ2017 経緯とポイント
官民 ITS 構想・ロードマップ 2018
官民 ITS 構想・ロードマップ 2019
技術ロードマップの変化を見るとその変化の流れが見えてくるでしょう。
情報収集その2:業界・競業他社の動向調査
例:カメラ業界の動向
デジタル一眼(ニコン・キャノン・ペンタックス・ソニー)からミラーレス一眼へ
フルサイズミラーレス
ソニー α7シリーズ
キャノン EOS R
ニコン Zシリーズ
ライカ・パナソニック・シグマ連合 Lマウント互換ミラーレスの開発
APS-C ミラーレス: Fuji・ソニー・キャノン
マイクロフォーサーズ:オリンパス・パナソニック
中判サイズミラーレス:Fuji・ペンタックス
レンズは、高性能高価格へ。
一方、安価なマニュアル式の中華レンズが数多く出てきている。
情報収集その3:市場のトレンド調査
市場で何が起こっているのか。
何が流行っているのか。
何が売れているのか。
https://gyazo.com/92fab044991d5c4a4c708d1ef893a218
情報収集その4:特許調査:IPランドスケープを描く
最近、IPランドスケープを描くということが言われています。
従来より、パテントマップを経営戦略に生かすことが言われていましたが、その延長線上にあるものです。
上記3つの調査に資すると言ってよいでしょう。
例:IPランドスケープで俯瞰するAI (特許庁)
未来予測の方法その1:デルファイ法
各分野の専門家にアンケートによって意見を求め,これを集計した結果を,再びアンケートとして回答者に送り,その意見を集計する。このようにして数回にわたってアンケートの反復を行なって,専門家の意見の収斂,分散を調べて,これを予測の材料とする方法。
コトバンク:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
デルファイ法には注意が必要・・森健一の「創造力を磨く7か条」も参考になります。
「デルファイ法の欠陥は、結局現在の延長線上の技術でしかものを考えられなかったことである。技術や科学の専門家はその立場で可能な限り見ている。しかし、官庁が委員を集めて会議を開くというやり方をすると、その人たちの延長上のことしか見えなくなる。」からです。
未来予測の方法その2:シナリオ・ライティング
予想する未来を楽観的なストーリーで描く
予想する未来を悲観的なストーリーで描く
予想する未来を中間的なストーリーで描く
ストーリーは、演繹法で、あるいは帰納法で書いてみる
例えば、新聞の将来はどうなるか・・そのストーリーを描いてみましょう。
無くなる確率を100%〜0%まで考えてみる
新聞の将来
100% ・・・・・・・・・・・・・・・・・・0%
無くなる 無くならない
悲観的 中間的 楽観的
もはや不要 代替手段? 活字は必要
デジタルと共存 活用方法がある
未来予測の方法その2:Connecting dots
過去(現在)と未来をつなぐConnecting dots (スティーブ・ジョブズ)
https://gyazo.com/2390b0ee3b2684e00c960d969596de91
スティーブ・ジョブズの 伝説のスピーチ: "How to live before you die"
未来予測の方法その3:MFT / TFMフレームワーク
Technology:要素技術・テクノロジー(シーズ)とMarket:マーケットのニーズとの間に、Function:ファンクション(機能・効用・役割)という概念を介在させて、シーズ・ニーズ間の関係性を判断し、商品化・事業化の可能性を検証するためのフレームワーク。コンサルティング会社のアーサー・D・リトルによって開発された。
MFTは、マーケットのニーズ側からどのようなテクノロジーが必要かを検討するためのフレームワーク
TFMは、テクノロジー側からみて、どのようなマーケットにおいてそれが役に立つかを考えるフレームワーク
Tを発明の構成・Fを発明の作用効果・Mを発明の目的や課題として捉えることも可能
このツールを使った調査の例
平成21年度産業技術調査事業'技術に関する施策調査 - 経済産業省
https://gyazo.com/dc8ae8372e02dc81ad26dc7130db4ea2
分析の目的
現在の技術に代わる、将来のトレンドとなる技術(商品・サービス)を予測する。
そのために、その要因となる新たな技術・兆候を見出す(変曲点の探索)
その変曲点となる技術が作り出すであろう将来発明を想定し、知財化する。
未来予測の方法その4:変化と不変化の法則
知財ソーシャルポジショニング・マトリクス
by 遠山
未来予測のヒントは方丈記(鴨長明)にあり
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある人と、栖(すみか)とまたかくのごとし。 ・・・ただ水の泡にぞ似たりける。
無情の意味
この文章は、 万物を貫く無常の真理を表している、と言われる。
あらゆるものは、消滅・変化するというのである。
しかし、無常の意味は、継続が前提である。
普遍的継続(不変)と変化の共存
https://gyazo.com/863e64d9f972898c3d1d59ac087aed68
変化・不変化の法則に基づく未来予測
https://gyazo.com/8914406e2126fe5567c502b068f8fa8e
時代の文脈を読み取る
文化のシンボルや兆し、すでに起きているトレンドを見つけ、特徴記号を発見し、その意味を見い出す。
その中から「変わらないもの」・・「普遍的ニーズ」を読み出す
一方で、「変化するもの」の方向性を、特徴記号の意味から読み取る。
その変化の方向性を見つつ、「普遍的ニーズ」に応じて現在のトレンドが将来どのように外形(姿)を変えているか予想する。
Vision を持って、あるべき姿を想像し、将来の流れの上(ポジション)に想像した「物」を「創造」して、置く。
EEDの法則(点と点を結ぶ線な何か)
変化と不変化の法則に内在するEEDの法則(点と点を結ぶ線な何か)
将来欲しいものは何か(Needs)
生まれては消える種々のSeeds
Seeds を 将来のNeedsにfeedする力(根底に流れる不変的Needs)はあるか
点(Seeds)と点(Needs)を線(feed)で結ぶ・・そのストーリーを考える
村上隆の戦略
過去(現在)と未来をつなぐ一つの方法
戦後日本に勃興したアニメやオタク文化と、江戸期の伝統的絵画を同じレベルで考えて結びつけ、それを西洋美術史の文脈にマッチするように構築し直して作品化する
相手(時代)の価値観に合わせる「モノサシ」発想
ジャレド・ダイアモンドの結論:未来に生き残るもの
未来に生き残るもの
発明が受け入れられる四つの要因
1)既存技術と比べ経済性が良いこと(経済合理性)
2)社会的ステータス
3)既存のものとの互換性
4)受け入れるメリットの見分けがつきやすい
ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」(下)P71―p74、草思社文庫
生き残ったものが未来を創る
演習