戦略とは January 11, 2007
戦略とは January 11, 2007
知財重視の昨今、知財戦略という言葉が多用されるようになってきた。企業の知財部門も、かつて特許部が知的財産部に変わったように、知財戦略室とか知財戦略本部といった名称の組織が作られるようになってきた。
知財戦略という言葉、カッコイイので、この言葉を冠すると、なんとなくそれなりの仕事に見えてしまう。これには注意しなければならない。
戦略について、アーティストの村上隆氏がプロ論3(徳間書店)で語っている話が興味深い。
大物新人と取り上げられた村上氏。しかし、作品はぽちぽちしか売れなかった。結局ニューヨークに行く(本人曰く、逃げた)。ニューヨークでは無名。発表しても通じない。氏は、「欧米の美術の世界にはルールがある」ことを知る。日本のアーティストがほとんど世界で通用しなかったのは、ルールを知らなかったからだと言う。
『そもそも日本のアーティストなんて、ニューヨークでは必要ないんです。アメリカ人が日本人に関心を持つ理由があるかどうか。メディアが記事を書きやすいような物語があるかどうか。そこから考えないと。スポーツだって同じ。欧米の選手は、どうして日本人選手の何倍も収入が得られるのか。プロデュースやマネジメント、プレゼンテーションの違いです。そこが日本はぬるい。戦略を立てて動かないと、世界では成功できないんです。』
氏の言わんとする戦略とは、「成功プロセスの物語を作る」ということであろうか。相手(顧客、マーケット)のルールに則って、相手が共感できるように。
欧米のルール。村上氏の著作、芸術起業論(幻冬社)に紹介されているとのことだ。読んでみたい。