マーケティングと知財(3) September 26, 2005
マーケティングには、消費者対応のマーケティング、競争対応のマーケティング、社会対応のマーケティングがある。
消費者対応のマーケティングとは、消費者のニーズを調査し、商品戦略、価格戦略、流通戦略、プロモーション戦略を組むことであり、競争対応のマーケティングでは、企業の業界での位置づけ、すなわち、リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーのいずれにあたるかで戦略を変えるということであり、社会対応のマーケティングでは、企業の文化活動という側面からの戦略である。
上記のいずれにも、実は知財が大きくかかわる。消費者対応のマーケティングにおいて、知財=ただちに商品価値ありということにはならないが、消費者のニーズに合致して、商品、価格、流通、プロモーションにおける優位性を確保できる知財を確保すべきことは確かである。
競争対応のマーケティングで、リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーのいずれによるかで、知財戦略・特許戦略は自ずと変わる。リーダーは常に先駆的に開発等を進め、独占権を活用していく必要がある。チャレンジャーは、いわばベンチャー企業のように、これはといった知財に重点を置くような戦略となろうし、そのような知財の取得戦略となろう。フォロワーやニッチャーとなると、リーダーの知財戦略を分析し、パテントマップ等を活用して、自らが進むべき道を探り出すという戦略が必要となる。そして、例えば、特許出願なども、立場によって、そのクレームの書き方まで違える必要も出てくる。
社会対応のマーケティングでは、企業の文化活動という側面からの戦略であり、これは、企業ブランドという知財に大きく係わる問題となる。単なる商標の問題に止まらず、CSRの問題も含め、社会における企業の信用力の問題となるので重要だ。