セルフブランディングのススメ:就職活動のために
知財の視点で、自分自身を評価してみませんか?
自分自身のブランド価値を見出してみると、
就職活動、営業活動等に大きなメリットを見出すことができるでしょう。
まずは、事例を紹介しましょう。
https://gyazo.com/9b7052df7f85e21967ef02e23650fdd9
菊池さんは、実在の人です。
彼は、6年間の不登校を経験した後、大学に入り、就職に臨むにあたって、
こんなことをしました。
自らの就活webを立ち上げ、
「その男、即戦力」
と銘打って、自らを売り込んだのです。
菊池 良さんの就活webはこちらです。
彼はどのような戦略をとったのでしょう。
自分の不利な(不利に見える)経歴を、
有利に塗り替えるプロモーションをしていますね。
彼の優位点はなんだったのだろうか。このwebサイトを見た
企業の採用担当者はどう思うでしょうね。
さて、この菊池さんの活動は、まさにセルフブランディングとして参考になりますね。
菊池さんのような行動はとても勇気が必要かと思いますが、
少しは真似ることができるのではないでしょうか?
まずは、キャッチコピーを作ったところを真似てみましょう。
あなたは、キャッチコピーで自らをアピールしますか?
そこで、このワークショップから。
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これに答えるためには、自分自身を分析しなければなりません。
自分で長所だと思っていること、短所だど思っていること。
自分み関する様々な事を書き出してみましょう。
企業でいうと経営資産の棚卸しです。
人・物・金・情報・スキル・・どのような資源を有しているかなど。
例えば、あなたがこれから就職活動を開始する学生だとします。
学生時代に、人脈・物・お金は通常あまり有していないはずです。
となると情報・スキルで勝負ということになります。もちろん、
各人の人格や個性も差別化の要因となります。
情報は、学校や趣味を通じて蓄積してきた知識です。
スキルは、スポーツ他の運動の技能、文芸的な技能(習字・俳句・短歌・
小説・漫画・絵画などの技能)、歌や楽器などの音楽的技能、
プログラミングなど、理化学的な技能などがあるでしょう。
また、あなたはどんな性格でしょうか?
緻密に物事を考える性格
人と話をするのが好き。あるいはあまり得意ではない。
そのような性格も仕事にどう生かすのが良いでしょうね。
それらを駆使して、あなたは何ができるのでしょうか。
その潜在能力を考えてみましょう。
1)あなたは、社会(会社)にどのような貢献(サービスの提供)ができますか?
あまり大げさに考えず、自身の特長(長所等)をもとに、考えてみてください。
例:整理整頓が好きなので他人の書類をまとめてあげるサービスを提供できる。
2)その特長を鑑み、最適な言葉を考えてください。
例:上記サービスなら・・「まとめ王」
ブランドの構築
さて、一言キャッチコピーができたでしょうか?
それが、あなたのブランドになります。
ではブランドとは何でしょうか?
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ブランドとは、独自性を強調するものです。あなたの個性ですね。
また、競合他社と区別させることを意図して、複数の商品やサービスを統一して象徴させる
とありますが、就職活動では、会社に対してどんな貢献ができるのか、という点に通じます。
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一言キャッチコピーを聞いて、人事担当者はどんなことを思うでしょうか
=それが、ブランドの想起機能(ブランド・イメージを想起させる)ですね。
菊池さんの「その男、即戦力」を聞いた人事担当者は、どう思うと思いますか?
真に受けるか、疑念を持つか。
メッセージ伝達機能(ブランドに付与された特定の概念化されたメッセージを伝える)
そこにはある種のメッセージが込められていますね。菊池さんの意図は何でしょうか?
それは伝わっていますか?
ブランドは、
出所表示機能(出どころの確からしさ)、
品質保証機能(商品・サービスの品質の確からしさ)を持ち、
さらに、広告・宣伝機能を持ちます。
さらに、
グレード表示機能も有します。
属性(ファミリー・グループ・クラス)表示機能もありますね。
成蹊大学というブランドは、そこに属するみなさんの属性となります。
成蹊大学らしさというイメージが伝わるわけです。
そして、ブランドを構築すると、それが参入障壁機能を発揮するようになります。
それは、信用を落とさない限り、永久に続くわけです。
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これが、ブランドは最強の知財であると言う理由です。
では、ブランドを構築する要素は何でしょうか。
たんなるマークやキャッチコピーだけではブランドは構築できません。
その信用度を高める、ブランド要素に裏付けられる必要があるわけです。
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ブランド・イメージを決定づける構成要素
これらは次のように分類される。
コンテクスト(ブランドを形成する文脈)・・企業理念・トップメッセージ・ブランドステートメントです。
「コンテクスト・ブランディング®」と言う言葉があります。・・・コンテクスト(文脈)に着目した、ブランドの構築や活用、維持、活性化などを含んだ一連の取り組みを言います(「ブランド戦略シナリオ 阿久津聡・石田茂共著(ダイヤモンド社))
コンテクストとは、文脈といい、企業が存在する社会的位置づけをストーリーとして捉えたもの。
ここでは、企業が策定したブランドビジョンや消費者が抱くブランドイメージのみならず、ブランドを取り巻く文脈(コンテクスト)に着目した、ブランドコミュニケーション展開を可能にするものです。
文脈に着目して、ブランドを可視化、構造化することで、それに基づいた戦略シナリオの策定を可能とする
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コンテンツ(コンテクストの具体化)
企業が行うCSR・環境活動・企業が提供する具体的商品群・サービスです。
コミュニケーション方法(コンテクストを体現するコンテンツをマーケットのユーザに知らしめる手段)
これらを考慮するとブランディングは以下の4つの階層を有すると言えましょう。
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これを図示すると、以下のようになります。
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個人レベルで考えてみましょう。
あなたのコンテクスト(ブランドを形成する文脈)はなんでしょうか。
これがブランドメッセージです。
おそらくあなたの性格や生き方などが大きく関与するでしょう。
あなたのコンテンツは何でしょうか。
あなたが持つ知識や技能・技術です。
それらがあなたのコンテクスト具体化としてどのような具体的商品群
・サービスとして提供されるのでしょうか。
コミュニケーション方法
そして、あなたのメッセージや、得意なサービスをどのように伝えるのでしょうか?
菊池さんのように就活webを作るのも一つの策ですが・・。あなたはどうしますか?
そして、コンテクストとして構築したブランドメッセージは、コンテンツとしての商品・サービスを通じ、さらに、コミュニケーション手段を通じてマーケットに訴えかけられます。
マーケットが共感すれば、ブランド価値への共感となり、ブランドの信用が上がっていくわけです。
マーケットが反応しないときは、上記要素のうち、どこかに問題があるわけです。
そもそも、ブランドメッセージ自体(コンテクスト)がおかしい。
そこには問題ないが、コンテンツに反映されていない。
あるいは、コンテンツまでは良いが、うまくマーケットに伝わるコミュニケーション手段が機能していない。
などの原因です。
そのような場合は、問題点を探索し、そこを変更する必要があります。
以上が、セルフブランディングのための簡単なブランドの考え方です。
セルフブランディングの実践
では、最初にもどって、実際にセルフブランディング
を実践してみましょう。
セルフブランディングの手順
タイトル・・・○○(自分の名前)のブランド戦略
1)自分は何者か?
要素分析・・自身が持つ経営資源
その中で、競争優位な経営資源は何か
持っていない経営資源
2)自分のコンテクスト(文脈)を作成する
3)自分のコンテクストを肯定的に見た時、どのようなメッセージになるか、キャッチコピーを考える
4)自分の持つコンテンツ(商品・サービス群)を列挙する。
(できることの羅列)
5)就職活動をするマーケーット、業種、職種、会社を特定する。
シーズ・ニーズ転換してみる。
6)コミュニケーション手段をどうするか
7)就職戦略の実践シミュレーションを行ってみる
1)自分は何者か?
要素分析
自身が持つ経営資源を洗い出し、
その中で、競争優位な経営資源は何か
持っていない経営資源は何か
不利と思われる点は何か
を評価してみる。
(客観的に自身をみるということです)
2)自分のコンテクスト(文脈)を作成する
自身が持つ資源を総じて、どのようなコンテクスト(文脈)を作れるのかを考える。
自身のポリシー(生き方・哲学)
ビジョン
将来(10年後)の目標
等は何かを考える
3)自分のキャッチコピーを考える
自分のコンテクストを肯定的に見た時、どのようなメッセージになるか、キャッチコピーを考える
4)自分のコンテンツを列挙する
自身が持つコンテンツ・・何で戦うのか?What の戦略
ここでは、自身がどのような「商品」なのかを考える(シーズ)
どのようなことができるのか
どのような価値を提供できるのか
どのようなサービスを提供できるのか
コンテクストを体現したコンテンツ(ブランド要素)の確認
5)就職先を特定する
どこで戦うのかWhere の戦略・・就職活動をするマーケーット、業種、職種、会社を特定する。
どのマーケットで、自己実現しようとするのか。
どの業種・どの会社で働こうと思うのか
経営資源(ブランド要素)を使う戦場の特定
シーズ・ニーズ転換をどのようにするのか・・自分のもっているコンテンツが相手のニーズに合うのかを考えるということ。
これって、法的三段論法と同じです。
大前提(法律)・・就職活動ではこれが会社の理念や欲すること(ニーズ)になります。
小前提(事実)・・あなたのコンテクストやコンテンツ(シーズ)
結論・・・・・・・上記を対比しマッチするか否かの判定
6)コミュニケーション手段
さて、上記5)までできたとしたら、どのようにターゲットにアプローチし、どのようにアピールするのが良いのでしょうか?
7)実践シミュレーション
どのように戦うのか
自身の経営資源(ブランド要素)をどのように使うと効果的なのか
コミュニケーションの手法
ストーリー展開
コンテクストを一言で言うとどのようなキャッチコピーとなるか
それを商標として再構築するなら、どのような商標とするか
不得意なところは、どうするか
短所は長所となるか
コミュニケーションインターフェイスはどうあるべきか。
Web サイトを構築するとしたらどのようなものがよいか。
参考例・具体例
参考2)ボーダレスジャパンの田口社長の話、コンテクストとコンテンツの関係がよくわかります。
何のために働くかをも考えさせてくれます。
https://youtu.be/cjtmDEG-B7U
8)最後に
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