秘密情報の管理
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人に見られたくない秘密の情報をパソコンで扱いたいことはよくあります。怪しげな動画の扱いには注意がいりますし、秘密の日記や悪口や愚痴の類も同様です。秘密の研究計画や帳簿、人事考課のような情報も他人に見られると困ります。パソコン上ではこういった微妙なデータも普通のデータもファイルとして扱うのが普通ですが、秘密のファイルを扱うのは結構面倒なものです。 MacOSのようなUnixベースのシステムでは、あらゆるファイルに対して読み書きの権限が定義されており、他人からの読み書きを許可したり禁止したりできるようになっていますが、ひとりで使うノートパソコンなどではこのような保護はほとんど意味がありません。また、ファイルの属性を設定することによってファイルが見えないようにすることもできますが、このような設定は簡単に解除できますから本当に秘密のファイルを扱うのには適当ではありません。ファイルを真剣に隠すためには、置き場所を工夫したり、暗号化を行なったりする方法もありますが、置き場所やパスワードを忘れてしまったりすると大変です。最近は、特殊な装置やUSBメモリをパソコンに装着したときだけ秘密のファイルが見えるようになるシステムも販売されています。この方法であれば、秘密のファイルを扱うために秘密のコマンドやアプリケーションを利用する必要がなく、装置を持ち歩くだけでよいので便利ですが、鍵となる装置を紛失したり盗まれたりする危険はあります。 秘密状態を明示する
置き場所を工夫する場合でも鍵などを利用する場合でも秘密のファイルを扱うのには気を遣うものですが、秘密のファイルを扱っていることが周囲の人間にわからない場合、余計なトラブルが生じる可能性があります。秘密のファイルを編集中の人のそばを通りかかると、その人は驚いてバタンとパソコンを閉じてしまうかもしれませんが、こういう事態は両者にとって気分が良いものではないでしょう。大事な秘密ファイルを編集していることがあらかじめわかっていれば、近付かないように注意することができるはずです。パソコンを使って何をしているのかが遠目にわからないという特徴は、内職には便利ですが、このような場合はトラブルの原因になる可能性もあります。秘密の作業を行なっているときはそのことが外部にわかるようになっていればトラブルが減るかもしれません。
「じっくりとあっさり」で紹介した気合いブックマークと同じような仕組みを使い、外部から識別しやすい記号を利用して秘密状態を制御するようにすれば、秘密を扱う人も周囲の人もストレスが減るでしょう。下の写真は、はこだて未来大学の塚田浩二氏が作った「秘密ディスプレイシステム」で、ノートパソコンのディスプレイの傾きによって秘密の具合を制御しています。 最初の状態ではディスプレイは充分開いているので、ディスプレイには平凡な画面が表示されています。
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少しディスプレイを閉じ気味にすると、個人情報を示すアイコンも表示されるようになります。
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さらに傾けると、ファイル共有ソフトや秘密動画のアイコンが表示されます。
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ディスプレイを閉じ気味にして秘密っぽく仕事をしていればわざわざ覗きに来る人は少ないでしょう。
秘密情報を管理するためのファイル暗号化システムなどは現在多くのOSに搭載されていますが、現状の認証システムと同じような使いにくさがあるためか、あまりポピュラーにはなっていません。普通の生活において他人のプライバシーを気にするのと同じぐらいの感覚で自分や他人の秘密情報を尊重できるようなシステムが普及してほしいものです。