発見人生
https://vtnews.vt.edu/content/vtnews_vt_edu/en/articles/2012/02/020612-unirel-inventcampaign/_jcr_content/article-image.img.490.high.jpg
毎日楽しく暮らすことは人生の究極の目標ですが、贅沢をすれば楽しく暮らせるというものでもありません。どんなに美味しい食事や酒でも繰り返し同じものを飲み食べしていたらすぐに飽きてしまいますし、どんなに素晴らしい景色でも毎日眺めていると飽きてしまうでしょう。美食を楽しむ行為や旅行を続ける行為自体に飽きてしまうかもしれません。良いものを見たり食べたりすることはもちろん重要ですが、変化や驚きも大事です。予定通りの休みは待ち遠しいものですが、思いがけず休みがとれたりプレゼントを貰ったりするのはさらに嬉しいものです。喜びの量は期待に対する相対的な値として得られるものなので、期待の量を制御することによって喜びを増大させる「期待工学」を研究しなければなりません。 人生の速度
時間感覚のコントロール でも紹介していますが、感覚は経験に大きく左右されます。歳をとると時間の経過が速く感じられたり、帰り道が行きの道より短く感じられたりするのは、新しい経験が減るからでしょう。同じ繰り返しが多い人生を送っていると、あっという間に時間が過ぎてしまうかもしれません。生活に繰り返しが多くなってきたと感じたときは、引っ越したり転職したりすると時間が長く感じられるようになります。なんでも自動化の例示プログラミングとデータ圧縮アルゴリズムでこの件について詳しく考えてみたいと思います。 *** 章をわけた方がいいのかも ****
財力があっても工夫が足りなければ満足することはできませんが、金が無くても毎日新しい発見があれば楽しく満足した暮らしができるはずです。新しいことが好きで好奇心が衰えない人は歳をとってもボケたりせずに元気に生活しているように見えます。楽しく面白い人生を送るためには財力よりも発見力が重要だと思われます。
みんなで発見
Web上には新しい情報があふれているので、工夫次第で毎日沢山の面白い発見をすることができます。まったく手がかりなしに面白い情報を捜すのは難しいので、「ソーシャルブックマークシステム」のような手軽な情報共有システムを利用したり、面白いブログのRSSを講読したりして情報を捜すことがよく行なわれていますが、このような方法で情報収集を行なうと情報の一極集中が起こりがちです。Webによって情報伝達の距離が消えてしまった現在、似たような趣味や意見をもつ人達が簡単に集まることができますから、その集団の中だけの意見が構成されてしまいがちです。同じグループで意見がかたまってしまう現象はGroupthink(集団思考)と呼ばれており、これによってイノベーションが阻害されたり様々な不具合が生じることが知られています。面白い情報を捜すときはこの弊害はそれほど深刻ではないかもしれませんが、もっと面白い情報をみつけるのに失敗する可能性は高くなってしまうでしょう。 発見支援システム
新しい情報を捜したり新しい体験に挑戦したりするのは骨が折れるものですが、私はWikipediaページをランダムに表示するスクリーンセーバを利用して新しい情報を発見する実験をしています。Wikipediaには「おまかせ表示」というリンクが用意されており、これをクリックするとランダムなページが表示されるようになっています。自動的にこれが表示されるようにしておけば、常に自分が知らない新しい情報が身の回りに表示されていることになるため、頭のリフレッシュにとても有効です。自分は何もしなくても面白い情報がテレビのように勝手に表示されるという受動的なインタフェースは不精者にも最適です。一見矛盾する「受動的」と「発見」が楽しい人生のキーワードになるかもしれません。