常時ONの時代
家庭で使う大抵の機器は利用するときだけ電源を入れるものであり、電源スイッチでON/OFFするようになっています。電源ON/OFFしないのは冷蔵庫ぐらいだったかもしれません。一方、最近のネットワークのルータやWiFiアクセスポイントは電源ONのままにしてあるのが普通でしょうし、パソコンやハードディスクの電源を切らずに使ってる人も多いと思われます。テレビやクーラーなども実は常に電源ONになっていて、いつでもリモコン信号を受信できるようになっています。常に電源ONになっている機器は増えていると思われます。
腕時計や壁時計は常に動いているものであり、電源ON/OFFすることはありませんが、こういう機器はそもそも電源を切るという発想がありません。電源を意識する必要がなく、常に電源がONになっているようなコンピュータを使うウェアラブルコンピュータが将来普及すると考えている人は多く、Google Glassも常時ONで使うことを前提としているので、電源操作をしなくても「OK, Glass」と言えば認識してもらえるわけです。 一方、大抵の電灯は常時ONになっておらず、壁のスイッチを使って使うときだけONにするのが普通です。従来の電灯は、「電源をONにすること」と「明るさを制御すること」が同義であり、これを壁のスイッチで制御していました。しかし、ネットから制御可能なPhilipsのhueのような電灯が広く使われるようになると、明るさの制御と電源ON/OFFは別物だと認識されるようになり、電源自体は常にONで良いと考えられるようになるはずです。 http://gyazo.com/1d82cf92ff574145fa8976025c57a9de.png
hue
hueのような高度な電灯でなくても同様の状況は起こります。私の家では、暗くなると自動点灯する屋外灯を導入したのですが、センサを動かすためには常に電源が供給されている必要があるため、家の中の電灯スイッチを「常時ON」に設定しておかなければならなくなってしまいました。誤ってスイッチをOFFにしないようにするため、屋内のスイッチにテープを貼って固定するという見苦しい状況になっています。
壁のスイッチで電源ON/OFFすることによって電灯の明るさを制御するという仕組みが完全に時代遅れになっているので、
電源は常時ONになっている
様々な方法で制御を行なう
というのが常識になってくるでしょう。
「部屋の入口のスイッチ」は家庭からもオフィスからも消滅し、様々な柔軟な方法で電灯その他の電気製品を制御するのが普通になるでしょう。ユビキタス時代にはあらゆる機器から電源スイッチが無くなるかもしれません。テープで固定された不格好なスイッチなどを見なくてすむようになってほしいものです。