階層型ファイルシステムの憂鬱
階層型ファイルシステム
沢山のデータをパソコンで管理する場合、以下のような方法を使うのが普通です。
各種のデータは様々な種類の「ファイル」として保存する。テキストデータも音楽データも写真データもファイルである。
関連するファイルをまとめて「フォルダ」に格納する。
関連するファイルやフォルダをまとめて別のフォルダに格納する。
ハードディスクの中にはファイルやフォルダがあり、そのフォルダの中にはまたファイルやフォルダがあり、...といった階層的な構造を作って管理するのが現在常識になっています。このような階層型データは階層構造の視覚化のような方法で視覚化することができます。 ファイルを階層的に管理する方法は昔から一般的だったわけではありません。昔のパソコンや大型コンピュータではフォルダを作ることができなかったり階層の深さに制限があったりするのが普通で、何重にも重なった構造を作ることはできませんでした。現在使われているような階層的なファイルシステムはUnixではじめて導入されたものであり、現在はパソコンでもスマホでもこのような管理方法があたりまえになっています。 階層的ファイル管理は確かに便利なものですが誰もが簡単に使いこなせるものではありません。階層化が自然なもの(住所など)や分類の専門家がいるところ(図書館など)ではデータを階層的に管理するのが良いかもしれませんが、パソコン上の雑多なデータを階層的に適切に管理することは普通の人には簡単ではありません。「1月の会議でA社に貰ったBプロジェクトの資料」のような文書を入手したとき、資料ファイルを「1月」のフォルダに入れるべきなのか「A社」のフォルダに入れるべきなのか「Bプロジェクト」のフォルダに入れるべきなのか判断に苦しみますし、そもそもファイル名をどうすればいいのかわかりません。新しいファイルが必要になるたびにこのように悩むことは全く理不尽であり、私の場合はついデスクトップに仮置きしてしまうのでデスクトップがぐちゃぐちゃになってしまっています。
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汚いデスクトップ
これを解決するには、階層型ファイルシステムなど使わずにデータを管理すれば良いでしょう。たとえば、データはすべてどこかのフォルダに適当に放り込んでおき、タグをつけて管理できるようにしておけば階層のことを気にする必要はなくなります。前の例の場合、データに「1月」「A社」「Bプロジェクト」のようなタグをつけておいて検索できるようにしておけば、フォルダ名などを気にしなくても後から簡単に検索することができますし、他のデータに同じタグがついていれば関連データを連想的に検索することができるのでテキスト検索しなくても関連情報を簡単に利用することができるはずです。こういうことは自明だと思われますが、「デキるビジネスマンは現行の階層的ファイルシステムを使いこなす」のような誤った思い込みがあるのかもしれません。階層型ファイルシステムを使わずにあらゆる個人的データをうまく管理する方法を試してみたいものです。