自撮りは従来の写真論の根本を覆した
従来の写真論の根本にあった「
カメラは撮るものと撮られるものを分け隔てる
」という前提をあっさりと覆した。かつてのカメラは撮影者を、その場にいながら無関係な傍観者として出来事から切り離し、あたかもそこにいないかのように錯覚させる装置だった。
自撮り
はそれが嘘であったことをあからさまにした。
大山顕,撮るあなたを撮るわたしを 自撮りとスクショの写真論,講談社,2024年,p.34〜35