構造主義
読
構造
+
主義
英
structuralism
1. 哲学から独立した科学としての心理学の最初の学派。構造主義に影響を与えた人物としては、
ヴント
(
Wilhelm Wunt
) があげられることが多いが。より強く直接的な影響を与えたのは、
テイチェナー
(
Edward Bradford Titchner
) である。テイチェナーは。心的を経験を対象とし、その構造について、訓練された内省に基づく、
体系立った実験ブログラム
を通じて検証するという自身の立場を、構造主義と呼んだ。
2.
1960年
代および
1970年
代に流行した。人間の行動および文化を研究する様々な学間領域で起こった
潮流
。この潮流は、スイスの言語学者である
ソシュール
(
Ferdinand de Saussure
: 1857-1913) が草分けとなった言語分析への根本的に新しいアブローチに影響を受けていた。ソシュールは、当時の言語学において広く用いられていた歴史的、 比較的なアブローチに対し、言語とはその内的構造のディテールを通して接近されなければならない閉鎖的な体系であり。言語学的な記号 (書かれた、もしくは話された言葉) は、その外的な指示物との関係性を通じてではなく、同じシステムにおける他の記号との構造的な関係性を通じて、意味を獲得すると主張した (
恣意的記号
)それゆえに、あらゆる特定の言語を使用する際の意味は。主に要素間の機能的な対照のパターンによって広く定義される。その言語の全体的かつ抽象的なシステムに根ざしている (
二項素性
。
最小対
)。言語学の
構造主義者モデル
は。 フランスの文化人類学者
レヴィ=ストロース
(Claude Lévi-Strauss
: 1908-2009) の研究の中で。人間の思考や行動を含む、本質的にすべての社会的、文化的現象を対象に含めるところまで広く適用されるようになった。文化人類学とその他の社会科学分野における
構造主義者
にとって、 生活世界における出来事と、それらの出来事に意味を供給する抽象的を
関係
(
relationships
) と
思考
(
idea
) のより 深い構造との間には、つながりがある。構造主義者の説明 は。個人の
自律性
(
autonomy
) や
行為
(
agency
)、 実体的な科学、 そして
線形的因果関係
(
linear-time causation
) には重きをおかず。
規則に支配された行動
(
rule-gov- erned behavior
) を現時点に算出するために働く、
構造的
かつ
システマティック
な影響からの説明と、隠された構造が明らかになることで現れる真の説明を重視する。1960年代に。
構造主義者
の思想は文学研究に多大な影響を与えた。また彼らは言語的、非言語的なサインが
意味作用
(signification)の特定の記号(code)の中で意味を獲得する様式について研究する
記号論
の新しい領域に、基本的な
知識構造
(intellectual framework)を提供した。続く数十年の間に徐々に
ポスト構造主義
に移行していった。
引用元:『APA 心理学大辞典』p270 (こうぞうしゅぎ)