20260620 かしこい犬アルフレッド
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場所:ムラの近く ~ 不思議界
季節:春
経験点:一人112Exp
獲得:コモンの魔法の品物1つ
おなじみとなった口入屋兼酒場の赤兜亭でくつろいでいると、そこにこ汚い犬が一匹駆け込んでくる。 犬は一生懸命誰か二助けを求め連れて行こうとしている様子。
シフターのシバが腰を上げ、それにつられてドムド、マミナ、ヴィマルも犬のうしろを走る。
犬は少し走っては振り返り少し走っては振り返りを繰り返し、一行がついてきているのを確認しながら、ムラの外れの農家にやってきた。
そこでは、一人のおばさんが声を枯らして娘を探しているところ。
おばさんはマーサ、娘はベッツィと言い、どうやら犬はこの家の飼い犬アルフレッドだったらしい。
マーサが言うには、ベッツィはとにかくひどい暴れ者のお転婆で、おもちゃの剣で近くの男の子をボコボコにするなど日常茶飯事。このままではまずいとおもったマーサは、ベッツィを納屋に閉じ込め、麻を糸に紡ぎ終わるまで決して出てはいけないと申し付けたところ……今朝見るとベッツィはいなくなっており、そこには出来上がった糸が積んであったらしい。
「糸が出来てるならいいんじゃないの?」と言うマミナ。
しかしマーサは決然と首を振る。
「あの麻は10日はかかる量。それを一晩で紡ぎ終えるくらいの腕がベッツィにあったなら、わたしは閉じ込めたりしない!」
「それはそう」
しかも糸ができているのに材料の麻はそのまま残っている。
これは不思議、と思ったシバは、アルフレッドに「娘さんの居所に心当たりはないかい」と聞くと、言葉がわかりでもしたのか、アルフレドは今度は森の奥に一行を連れて走ってゆく。
森の中には、キノコが丸く円を描くように生えている場所があり、灰色の霧が立ち込めていた。
「なんか聞いたことあるな……」
しかしアルフレッドはしきりに一行を中に誘う。
意を決して飛び込んだところ……周囲の地形こそ似ていたものの、そこはきらきらした蝶が飛まわり魔法に満ちた不思議界になっていた! きょろきょろする一行に、アルフレッドが話しかける。
「おぉ、つわものたち。それがしの求めに応じて頂き感謝する!」
しゃべる犬に驚いていると、アルフレッドは丁寧に頭を下げた。
「おのおのがた、それがしは騎士アルフレッド。どうか我が主人を救うため力を貸してほしい。我が主人エリザベス姫は今まさにここで邪悪な魔女にとらわれている。魔女は主人と契約をしたが、その契約は履行されていない。契約は無効だ。おのおのがたはさぞや名のある戦士とお見受けする。何卒魔女を倒し、姫を救出するのを助けてほしい」
話を聞くと、アルフレッドはもともと不思議界にあるワンニャン王国の遍歴騎士だったが、重傷をおってムラ近くで倒れていた際に、ベッツィの父ホーマーに助けられ、以来彼に忠誠を誓っているとのこと。
アルフレッドはホーマーの臣下となったときに、物質世界では犬らしく振る舞うことを誓っており、彼はホーマーが死んだ後も、その娘と妻に忠誠を尽くしている。
「エリザベス姫は確かに闊達でらっしゃり、マーサ女王の言いつけに背かれたのは悪いところではあるが、そこは曲げて、何卒ご助力いただきたい。ドムド卿、シバ卿、ヴィマル卿、そしてマミナ姫」
「姫かぁ。グフフ」
報酬を求めるヴィマルに、アルフレッドは、騎士の名誉ある品物が手に入る、と請け合う。
乗りかかった船、と、力を貸すことにした一行。
アルフレッドは「勇気百倍!」と喜び、早速魔女を呼び出す。
「それがしは騎士アルフレッド! ドムド卿、シバ卿、ヴィマル卿、マミナ姫とともに、話が主エリザベス姫を返してもらいにまいった!」
するとキノコのような家から、恐ろしい容貌の魔女が現れる。その後ろには、八歳くらいの女の子を連れていて、魔女はあちこちに絆創膏を貼っていた。
「このバカ娘はお母さんの言いつけも聞かないで悪さばかり。だからアタシがもらったのさ!」と宣言する。
「どういうしつけをしていたんだろうね! 暴れるひっかくものは壊す……でもしっかりしつければ、うちの子の嫁になるかもしれんさ!」
「ヤダーッ!!」
ドムドはなんとか魔女に思いとどまらせようとするが、強力な魔法を持つ魔女は聞く耳を持たない。
恐ろしい魔女との対決となるが、からくも勝利する一行。
魔女が倒れると、再び灰色の霧が周囲を覆い始める。
ヴィマルは急いで魔女の家に駆け込み、アルフレッドの請け合った魔法の品物を持ち出した。
アルフレッドは丁寧にお礼を述べ、「それがしは、姫の父、ホーマー陛下に北部では普通の犬として過ごす誓いを立てている。目がさめたら姫はこれを夢だったと思うだろう。どうかおのおのがたも話を合わせてやってほしい」と頼む。
気がつくと一行は、かしこい犬アルフレッドとベッツィを連れて元の場所に戻っていた。
夢で見た大冒険を話すベッツィを連れて、一行はマーサのもとに戻るのであった……。