タンジェント・スカルプチャー
https://youtu.be/Tbt9wvlgJS8
「タンジェント・スカルプチャー Tangent Sculputure」は、渡邉廉太郎さんらが開発したワークショップ。
タンジェントは接線、スカルプチャーは彫刻。一つの曲線は、その曲線そのものを描くことで示されるが、その曲線への無数の接線を描き出すことでも、浮かび上がらせることができる。
谷川俊太郎の詩「コップへの不可能な接近」は、その名を呼ぶことなく、コップについて語る一連の言葉からなる。最後の段落で、メタな認識が語られる。「我々の知性、我々の経験、我々の技術がそれを地上に生み出し、我々はそれを名づけ、きわめて当然のようにひとつながりの音声で指示するけれど、それが本当はなんなのか――誰も正確な知識を持っているとは限らないのである」」
あたりまえの言葉を、あえてその言葉を使わずに説明する。言葉の輪郭をなぞるように、何本ものの接線を引いてみることで、対象の言葉についての本質的な理解を深める。また、その記述を他者のそれと比較することで、認識のずれを見出す。
手順
対象となる言葉を一つ決める。そこで取り組んでいるプロジェクトの核心となるような言葉、誰もが知りながら多様な側面を持ち輪郭が定まらないような言葉を選ぶ。「雨」や「コップ」などのモノの名前でも、「正義」や「環境」や「幸福」などの抽象概念でも良い。正しく多面的に展開できるならば、固有名詞でも面白い。
各個人で、その言葉をテーマとして、12分で12行からなる文章を書く。ただし、その言葉そのものを使ってはならない。
小グループに分かれ、グループ内で作品を共有し、意見交換を行う。
グループ内で、特に面白いと思うセンテンスを12文選び出して、新たなリストを作る。(この部分はオリジナル)
全体で作品を朗読。作成意図を解説。
ワークの狙いを確認した上で、ふりかえり。
タイムテーブル(90分)
趣旨説明 15分
執筆 15分
グループで議論 20分
全体での議論 20分
ふりかえり 20分
参考文献
渡邉廉太郎、田川欣哉、畑中元秀『ストーリー・ウィービング』ダイアモンド社、2011
参考