NTTスタジオ「なぜ集まって暮らすのか?~卸町復興公営住宅からコミュニティを考える~」
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主催:東北大学大学院工学研究科フィールドデザインセンター、 NTTサービスエボリューション研究所
2017.11~2018.2
1965年に創設された仙台卸商センターは戦後の高度成長期、流通機能の高度化・効率化を目的として市街地から郊外に集約し流通団地が整備されたものである。しかし時代とともに流通に特化した都市構造は成長の足かせとなり、空洞化が始まった。流通団地は宅地のスプロールにのまれ立地の文脈すら大きく変わってしまった。
そこで2000年ごろから卸・文化・居住が混合する「まちづくり」へと移行していく。一般消費者へむけた大規模小売イベント「ふれあい市」、夜間人口の少なさを逆手に取った映画上映イベント「おろシネマ」、自らいろいろ試すための場として「イベント倉庫」、クリエイターに特化したシェアオフィス「TRUNK」などのプロジェクトを矢継ぎ早にスタートする。流通団地建設が白紙の土地へ「外」からの計画であったのに対し、当事者として「内」から発意されたものであった。普段は来ない人々をまちの中心部に受け入れ、「卸売業」の輪郭を再定義するチャレンジでもあった。
震災後、復興公営住宅を含む卸町コミュニティプラザほるせの完成で初めての住民がやってきた。卸町の特異な点は、5,000人もの従業員が毎日働き、様々な文化活動がなされながら特別業務地区だったため、住人が全く存在しなかったことである。復興公営住宅の最大の課題は、被災者が失ったコミュニティをいかに再構築するかにある。組合の先導的プロジェクトでもある卸町コミュニティプラザは卸町の未来に大きな影響を与える。入居から1年半がたち、住人が居なかったまちに住人を受け入れることには大小様々な問題が生じている。いま、私たちは「なぜ集まって暮らすのか?」を問い直す時期に差し掛かっている。