【引用】度重なる法定雇用率引き上げは、早晩、企業に選択を迫ることになります。
度重なる法定雇用率引き上げは、早晩、企業に選択を迫ることになります。
すなわち、正攻法で雇用を増やすか、 貧し農園を利用するか、 未達成で放置するのかいずれかです。
多くの企業はそのなかで最もコストのかからない方法を選ぶでしょう。
こうして、障害者雇用は現時点での損失を天秤にかける近視眼的なものになっていきます。
ここで話を一般化してみましょう。
企業の支払う人件費は変動費でしょうか、固定費でしょうか。
前者ならば、労働力はその場限りのインプットとなり、現時点での収支バランスを考えます。
一方、後者ならば、人材は資産となり、 人件費を「投資」と捉えるのが自然です。
投資であれば、 企業は現時点での収益よりも、将来のリターンに目が行くでしょう。
障害者雇用もこれと同じように考えてみてはどうでしょうか。
障害者雇用の目的は現在の雇用率達 成ではなく、将来へ向けての投資だと捉えてみるのです。
たとえば、障害者雇用を「多様な人材の戦力化」「柔軟な働き方の実現」「ジョブ型雇用の導入」への第一歩と位置づけてみます。
そうすれば、視点は現在の帳尻合わせではなく、将来に向くのではないでしょうか。
障害者雇用を国策と位置づけ、法令で義務化する施策を否定するつもりはありませんが、法定雇用率達成はあくまで手段であって目的ではありません。
私たちは今「コストから投資へ」と発想の転換を図るべきときに来ているのではないでしょうか。
障害者雇用にまつわる言説に抱いてた違和感を言語化してくれた感じ。
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#2025/11/30
中島隆信
『Works Report 2025|労働力不足時代に取り組みたい障害者の戦力化~多様な人材が活躍できる会社をつくる~』