【引用】この定式こそスピノザの考える能動と受動に明快な説明を与えてくれるものだ。
この定式こそスピノザの考える能動と受動に明快な説明を与えてくれるものだ。 われわれの変状がわれわれの本質によって説明できるとき、すなわち、 われわれの変状がわれわれの本質を十分に表現しているとき、われわれは能動である。逆に、その個体の本質が外部からの刺激によって圧倒されてしまっている場合には、そこに起こる変状は個体の本質をほとんど表現しておらず、外部から刺激を与えたものの本質を多く表現していることになるだろう。その場合にはその個体は受動である。 一般に能動と受動は行為の方向として考えられている。行為の矢印が自分から発していれば能動であり、行為の矢印が自分に向いていれば受動だというのがその一般的なイメージであろう。それに対しスピノザは、能動と受動を、 方向 ではなく 質の差 として考えた。
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