『風の谷のあの人と結婚する方法』
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本書を執筆中、久しぶりに宮崎駿作品の『風の谷のナウシカ』
全7巻を読んだ。
この物語は高度文明が戦争によって破壊されて、そのあとも戦争をしてい
る話である。そういった意味でナウシカの世界はこの世の過去か、この世の未来
で、僕らが住む世界とのパラレルワールド並行世界が描かれたものかもしれ ない。
もし未来を描いたものならば、僕らが今の世界を変えていかなければならな
い。彼女の生きた時代を現実にしないためにも。
ナウシカは自ら戦いながらも、戦うことの無意味さを感じていく。結局、人
間のエゴなのだと。
僕自身も最近、相手を打ちのめすための戦いには空しさを感じてきた。本当の
意味で「戦う」ということは、自分自身に打ち勝つことなのかもしれない。一方
に敗者がいては、真の勝利は得られないのではないだろうか。
ほとんどの人は自分さえよければいいと考える。それはそれで間違いではな
い。しかし「自分」という定義をどこに持っているかが問題である。家族を持っ
ている人は家族を「自分」と考えられるし、組織に入っている人はその組織を
「自分」と考えられる。しかし、局地的なもの以外は、「みんながお互いにバラ
バラ」と考えるから民族紛争、宗教戦争、国家間の対立が生まれる。
これらを感じさせるナウシカの台詞がある。
「世界を敵と味方だけにわけたら、すべてを焼き尽くすことになっちゃうの」
人類が、分裂という何千年も続いた悪夢のような幻想から抜け出せば、世界は
変わるはず。世界を焼き尽くすのは寂しすぎはしないだろうか。
もし偉大なる絶対的何かから、この相対性の世界が生まれたならば、目の前に
映るものも映らないものもすべて自分自身のはず。すべてが自分自身ならば、み
んなが自分にしてほしいことを相手にしてあげることができる。他者というもの
は存在しない。なぜなら、すべてはひとつだから。
僕は、自分なりの哲学や思想を、テーマごとにこの本にまとめてみた。その中
ですべてに通じて言いたいことは、「すべての生命が喜びと愛にあふれることが
真の成功なり幸福である」ということ。
『風の谷の「あの人」と結婚する方法』というタイトルにしたのも、ひとりひと
りがナウシカに象徴される自然に対する敬意と、愛と慈悲なる形而上的な何かに
つながる、という意味を込めて付けさせてもらった。
そろそろ思い出してもいいのではないだろうか、僕らは地球というゆりかごに
揺らされて生きていることを。地球は僕らのものではなく、僕らが地球のもので
あるということを。
地球にとって今の人類は癌細胞みたいなものなのに、子供の成長を見ているか
のように地球はただ見守ってくれている。
母親に抱きしめられている赤ん坊のような、穏やかで平和な世界を目指してい
こう......ナウシカが最後に着ていた服のシミのように、美しく輝くこの世界
に。
We are all one 須藤元気