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ミクロ経済学は、何よりも個人の行動を合理的にモデル化することを旨としています。そのために経済学は「経済的合理性(のみ)にしたがって意思決定を行う」存在をモデルの最重要な部品として導入しました。それが「経済人」(ホモ・エコノミクス)です。物理学が、面積や体積をもたず質量のみをもつ「質点」を導入したのと、大変に似ていますね。そうした架空の存在を用いることによって、物理学は質点系の力学を完成させることに成功し、ミクロ経済学は価格理論という緻密なモデル体系を構築することに成功したのが、とても興味深いところです。
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