【引用】さて、茹でガエルは「鈍感な怠け者」でしょうか?
さて、茹でガエルは「鈍感な怠け者」でしょうか?
おそらく、その逆で、「勤勉な実務家」ではないかと、私は考えています。
ビジネス界では有名な寓話ですが、茹でガエルはかつて「鈍感な怠け者」のメタファーとして理解されていました。
「ぼーっとしていると茹でガエルになるぞ」という上司の言葉に「勤勉な実務家をめざせ」という寓意が込められていたのは、人材育成的な学習が浸透する前のビジネス社会だと思います。
ところが、学習が手段化された世界では、勤勉な実務家だからこそ、上司や教員の言葉に何の疑問ももたず、指示に忠実に従い、与えられた目標に向かって全力疾走し続けることになるのです。
目的は上から与えられるままに、とりあえず正しいことにしつつ、「突貫工事のエキスパート」として、ひたすら目の前の課題をこなし続ける結果、21世紀的な意味での茹でガエルになってしまうのではないでしょうか。
茹でガエルとは鈍感な怠け者のメタファーではなく、狭い器の中の“正しさ”を疑わない者のメタファー。
学習が手段化された世界に生きる私たちにとって、それが茹でガエルの21世紀的な意味だと思います。
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