『Works 185|ニッポンの“課長”の処方箋』
2025-06-11 09:38
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2025-06-17 14:56
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これ面白そう
歴史
2025-08-03 04:32
Highlights & Notes
ヒトマネとコトマネの関係性をどう定めるかは、 試行錯誤中だ。お互いが足りない部分を補い合う、 それぞれの領域で住み分ける、2人の業務を「重 ね合わせる」などいろいろなやり方がある。「重 ね合わせる」では、たとえばプロジェクトの進捗 が鈍ったらコトマネがそれをヒトマネに伝え、ヒ トマネが面談を通じてメンバーに目標の再確認を 促したり、成果を出すために必要なスキルの習得 を後押ししたりする。逆にヒトマネがメンバーの 意欲の低下を察知したら、コトマネに知らせて目 標や計画自体に問題はないか確認してもらう、と いった循環を作り出している。 「マネジャー2人が分業ではなく協業することで、 職場の解像度が高まり、メンバーにもきめ細かい ケアができる可能性も見えてきました」
同じチームにマネジャーが複数いることで、「船 頭多くして船山に上る」のことわざのように異 なった意思決定が下され、現場が混乱することは ないのだろうか。この状態を防ぐためには、「業 績を2人共通のミッションに置いていることが重 要」だという。 「目指すゴールが同じであれば、到達するための 方法の違いについては、どちらが最適かを議論す ることで解消できると思います。むしろ『1人よ り2人でメンバーを見たほうが、見立ての精度が 高まる』など、2人体制ならではのメリットを挙
僕は現代を、インフラなど自らの生 存や生活に必要なことを国家に委ねた 「一億総観客社会」だと見ています。 いきなりグラウンドに降りて自治をし ろと言われてもどうしたらいいかわか らない。それがようやく、阪神・淡路 大震災のあとグラウンドに降りる人が 出てきました。そこからこんな学校 あってもいいよね、こんな福祉がほし いよねと、生きるためのインフラを提 供する側に回ろうとしている、つまり 自分の人生の主役の座にもう一度座り 直そうとしています。
- 『僕のお金は誰のもの』の「私たち」
高橋:若い人は志を持って社会に出る けれど、入社してすぐ上司に言われる のは「きれいごとでは飯は食えない」。 でも、きれいごとが大手を振ってまか り通るようにならないと社会は変わら ない。「いいことはNPOやボランティ アだけ」の時代は終わりにしたい。そ の先駆けになるぞ、と、社員に話して います。
友岡:会計とは、ある特定の状況において行わ
れる説明行為です。特定の状況とは、財産の持 ち主が自分でその財産をマネージしないで他者 に委ねている、つまり財産管理に関して委託・ 受託の関係が存在している状況のことです。 梅崎:株式会社でいえば、株主と経営者の関係 が、委託・受託の関係にあたります。 友岡:はい。それを違う言い方でいえば、「資本 と経営の分離」となります。ところが財産の持 ち主、つまり株主は、自分の財産が今どのよう にマネージされているか直接目にすることがで きないので、任せておいて大丈夫なのかがわか らない。そこで経営者は、自分が引き受けた行 為の顛末を株主に説明します。会計を行うこと で、「あなたの財産は私がちゃんと管理していま すよ」と説明するわけです。 なんのために行うのかといえば、「納得」とい う概念が鍵になります。会計は、経営者が株主 に対して、委託・受託の関係、すなわち資本と 経営の分離という状態を納得させるために行う のです。委託・受託の関係は約束事なので、ど ちらからでもやめられますが、株主は経営者を クビにする権利もあるし、持ち株を売却しても
よい。それに対して経営者は辞職の権利しかな く、この関係を続けたい気持ちが圧倒的に強い のは経営者の側です。一般的にはステークホル ダーのためなどといわれますが、実は委託・受 託の関係を維持してゆきたい経営者のためにこ そ会計はあるということもできます。
友岡:社会学のなかにプロフェッション論とい うものがあります。ここでいうプロフェッショ ンとは「ザ・ラーニッド・プロフェッションズ」、 日本語では「学問的な職業」「学問に関わる職 業」などと訳されるものの略称です。もともと は神学と法学と医学に関わる職、具体的には聖 職者、法廷弁護士、内科医を指していました。 古くは学問といえばその3つだったので、「ス リー・リベラル・プロフェッションズ」ともい われます。リベラルとは教養的の意です。 これらのプロフェッションは、晩 おそ くとも18世 紀ぐらいまでにイギリスで確立され、その後、 会計士や事務弁護士など後続のプロフェッショ ンが登場。今日「プロフェッション」と呼ばれ るものは、19世紀には確立をみたといわれてい ます。
梅崎:複式簿記とはどういうものでしょうか。 友岡:簿記は財産管理のための記録ですが、具 体的になにを記録するかといえば、財産の有り 高と増減。つまり、どれだけの財産があり、そ れがどれだけ増減したかです。これは言い換え ると、資本と利益の記録です。 財産の増減をもたらす事象を、会計では取引 といいますが、取引にはもともと二面性があり ます。たとえば土地を買ったときは、購入代金 を支払い、土地が所有物になる。つまり現金と いう財産の減少と土地という財産の増加という 2つの事象が起こります。人に金を貸した場合 も、現金という財産の減少と貸付金という債権 の増加という2つの事象が発生します。複式簿 記では、取引を二面的に把握した形で記録しま す。つまり、資本と利益を体系的に記録したも のが複式簿記なのです。
専門性に基づくジョブ型の採用が一般的で、 自律的な仕事をしていることもあるが、学校の 先生も社長もファーストネームで呼ぶようなフ ラットさの影響も大きい。管理職というのはそ ういう職種であって、別に部下より偉いわけで はない、という意識がある。そんな北欧人に言 わせれば、日本の上司と部下の関係は、まるで 親と子のように見えるそうだ。
- 『アライアンス』にあった、チームなのか家族なのか問題
多くの日本企業では、中央集権型の 成功体験から脱却しないまま、1on1やコーチン グなど分散型の手法を形式的に取り入れようと しており、管理職の負荷が増大しています。
①目的は成果物の提供→価値の提供 決められた成果物を完全に仕上げるというプ ロジェクトの目的が、顧客が求める価値の創出 と定義されました。重要なのは最初に目指した
成果物の完成にこだわるの でなく、「なにをつくるのか (価値)」「なぜ始めるのか(目的)」という原理原則であり、環境の変化を察知 しながら、柔軟に対応する力です。 1996年の刊行以来、プロジェクトマネジメン トのバイブルとされてきた「PMBOK」が2021 年の第7版で大きく改訂されました。変化のポ イントは大きく3点あります。
③ピープル・マネジメント→ピープル・エンパ ワーメント メンバーが自律的に判断・行動するために必 要なのは、ピープル・エンパワーメントです。 ここで重視されるのは、信頼や透明性、インテ グリティ、相互の尊重などです。
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